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住宅ライターの家づくり奮闘記

わが家の生活を文字通り支えている大黒柱。家族が寄りかかったりぶつかったりして、目を近づけてみると実はけっこう傷だらけだったりします。でも、それがまた歴戦のツワモノの風情を醸し出していて、頼もしいのです。

キッチン脇の棚の下には、ゴミ箱の横に掃除機を置いています。以前はホース等を分解してしまっていたのですが、この機種に買い換えてからは、このように立てておけるようになりました。必要なときにさっと取り出して使えるので、掃除をしやすくなりました。掃除機の置き場所・しまい方も意外と重要なのかもしれません。

2011年03月09日更新

築2年で起こる建物の経年変化

 私は基本的にわが家に満足しているので、このコラムではわりとイイコトばかりしか書いていませんね(笑)。でも、家はいつまでも新品のままではありません。年月を経ればそれなりに部材はよくも悪くも変化していきます。今回は、あらためて家の中を見回してみて、気がついた経年変化についてお伝えしたいと思います。

 新築時との違いがまず目につくのは木材を使った箇所です。無垢の木材は、製材後も湿度を吸ったり吐いたりする性質があるので、季節ごとに伸縮があります。また表面の色味もだんだんと濃くなっていきます。わが家では、柱や梁、天井の化粧垂木、杉の食卓、檜の階段、パインの床など、多くのところに無垢材を使用しているので、引っ越し当初とは室内全体の雰囲気が変わってきていますね。最初は淡い色合いで上品な白木の空間だったのが、わずか2年でぐっと色つやが増したように思います。

 床や階段、手すりなど手足が触れるようなところは、モノを落としたり、ぶつけたりして、たくさんの傷や凹みなどができています。1階の中心にある大黒柱も私が抱きついたり、子どもたちがぶつかったり、鉛筆やペンなどで落書きした跡などもあったりして…。

 壁の漆喰も階段との接点など、振動が伝わるような部分については、隙間ができたり、ひび割れが走っているようなところがあります。キッチンの床のモルタルにもひび割れがあります。このあたりは、もともと水分を含む素材なので、乾燥が進むにつれて収縮し、割れができるのはやむを得ないこと、とあまり気にしていません。

 無垢材や左官材などの自然素材については、こうした経年変化は「劣化」ではなくむしろ味わいに変わっていますね。もちろん付着した汚れはすぐに落とすようにしているし、傷も紙やすりなどで目立たなくなるようにはしています。床などはさっと雑巾で拭くと、ぶわっと木の香りが甦るので、嬉しくなってしまいます。

 キッチンやシステムバス、洗面台などの水回りでは、部材の継ぎ目に黒い汚れや水垢がつくようになりました。もちろん見つけ次第洗い落としていますが、新品同然というわけにはいきません。

 とくにキッチンは油汚れがクセモノです。妻いわく「肉を焼いたとき、揚げ物をしたときは必ずレンジフードを洗っている」とか。ガスレンジの五徳回りはフラットなガラストップの製品を選んで、掃除しやすいようにしていますが、それでも油汚れを落とすのはやばりひと苦労。水回りに関しては、多少コストアップしたとしても、メンテナンスを重視した製品を選ぶことをオススメします。

住宅ライター 渡辺圭彦

渡辺圭彦プロフィール
1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、編集・制作会社へ。2004年よりフリーに。著書に「家づくりのホント~欠陥住宅にハマらない心得」(週刊住宅新聞社)など。2009年2月に自邸が竣工。
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