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住宅ライターの家づくり奮闘記

完成した土間の柵。柱の木口を覆うように天板を設置したので、今度は腐りにくいはず。材は水に強いレッドシダーを採用しました。

遮光ネットを張ったところ。これで夏の日射熱を大幅にカットすることができます。

2016年07月12日更新

家の中を抜き抜ける風に夏の始まりを感じる

そろそろ梅雨開けも間近。ということで、わが家恒例の遮光ネットを土間の上に広げました。これは農業用のネットで太陽光を遮る働きがあります。

このネットがないと、太陽の熱が土間に貯まって日中の照り返しは相当なものに…。毎朝、土間に置いてある鉢植えに水をやるのですが、そのついでおこなった打ち水もあっという間に乾いてしまいます。

このネットにはもうひとつ利点があります。室内側からは外を透かして眺めることができますが、外からは室内を見ることができないのです。このおかげで、日中でも気にせずに障子を開け放して、開放感を取り入れることができます。

南向きの窓は、一般的には明るいということで好まれますが、夏には日射に悩まされるというリスクも抱えます。その懸念を遮光ネットで軽減しようというわけです。

その結果、土間に面した掃き出し窓が開かれることによって、室内に自然の風を取り込むことができ、階段や吹き抜けを通じて、2階へと空気が流れていくことに。夏場の2階は熱気がこもりがちですが、こうした自然の通気によって適切に熱が排出されるため、家の中は外よりもぐっと涼しい状態が保たれます。

家の中で風が吹き抜けていくのを感じることができると、実に気持ちがいいものです。

最高気温が30度を超える日でも、風さえあれば、午前中はクーラー無しでもOK。家族がピアノを弾くときには窓を閉め切るので、そのとき初めて冷房のスイッチをいれることになります。

まだこの時期だと夜には25度を下回るので、昼間に家全体に蓄熱した分は放出してしまうことができ、宵の口にはちょっと蒸していても、就寝する頃にはほどよい状態に。

まあ、さすがに8月に入って、熱帯夜が続くようだとそうも言っていられず、クーラーに頼ることにはなるのですが…。とりあえず今のところは、夏の始まりを楽しむことができています。




住宅ライター 渡辺圭彦

渡辺圭彦プロフィール
1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、編集・制作会社へ。2004年よりフリーに。著書に「家づくりのホント~欠陥住宅にハマらない心得」(週刊住宅新聞社)など。2009年2月に自邸が竣工。
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