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住宅ライターの家づくり奮闘記

ワトコオイルの塗布は、湿気の多い夏場を避け、秋に行いました。あまりびちゃびちゃとさせず、薄目に延ばして塗るのがコツであるようです。

2階の子ども室のカーテンもようやく購入。妻がユザ〇ヤで選んできました。あえて色違いを並べてみたら、にぎやかな感じになってくれてよかったです。

2009年11月11日更新

「ヴェールを脱いだ杉の大テーブル」

 秋は毎月のように連休がやってきます。そんな折りに虎視眈々と狙っていたのが、テーブルのワックスかけです。我が家のテーブルは杉の無垢材で造作してもらったもので、キッチン側はイスに座り、居間側は掘りごたつのように床に腰掛けて使用します。  杉板の表面は素材の感触を生かすため、まったくの無塗装でした。が、6歳の幼稚園児と2歳に満たない幼児がいる家庭としては、テーブルをそのままむき出しで使う勇気はちょっとありません。食事のたびにみそ汁をひっくり返すし、お絵かきのときには画用紙からクレヨンがはみ出すし…。ホームセンターで透明のビニール製テーブルクロスを買ってきてカバーしていました。  以来、子どもたちの動静に肝を冷やすことは減りました。連中がテーブルの上に多少乱暴にモノを置いても、ビニールの厚みが衝撃を吸収してくれるので、傷や凹みも付きにくいというメリットにも気が付きました。  ただ、やっぱりせっかくの無垢材。べたべたしたビニールではなくて、サラサラの手触りを楽しみたいなあ…。ということで夏に入手したのが、ワトコオイル。これは北欧でよく木製家具などに用いられているもので、亜麻仁油を主成分とした植物油をベースとするオイルフィニッシュです。  ポリウレタン系の塗料は、素材の表面に塗膜を作ってガッチリと守りますが、その分、木材本来の手触りは失われますし、木材の繊維を湿気が出入りする調湿効果も発揮できなくなります。一方、ワトコオイルのような自然素材系の塗料は、膜を作らずに木材の表面下に浸透していきます。無垢材の質感や性質は保たれる代わり、ポリウレタン塗料に比べれば衝撃に弱いし、傷や汚れもそれなりに残りやすいという傾向があるのです。   「でも、傷ひとつなく守りたいならビニールカバーをずっとかけておけって話だよねえ」ということで、休日の夜、早めに子どもたちを寝かせて、オイルとウェス(布)を取り出しました。まずはカバーを外してテーブルの表面を軽く乾拭きし、ホコリを取り払います。そして、ウェスにオイルを浸してスーッと塗り広げていきます。だいたい全面を塗り終えたら、30分ほど乾燥させてから乾拭きで余分なオイルを拭き取って。これを2回繰り返して、12時間ほど乾かして終了。  こう書いてみるとなんだかスムーズな印象を受けられるかもしれませんが、うちのテーブルのサイズは幅80cm×長さ260cmもあるため、けっこう大きな動きが必要で。秋の夜長にいい汗をかきました。  さて、仕上がってみると、独特な色味がついていい感じ。しっとりとした質感が出てきました。これから年に1回は塗り重ねていくことになります。1度や2度の塗布ではポリウレタンより弱くても、そうやって年月とともに塗り重ねていくことで、保護層が形成されていくというわけです。  あらためて「うちのテーブルはいいなあ」と悦に入ったところで、そろそろ友人を呼んでもいいかなという気になってきました。ホームパーティーの実現が先か、年末の喧噪に飲み込まれてしまうのが先か。神のみぞ知る…。

住宅ライター 渡辺圭彦

渡辺圭彦プロフィール
1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、編集・制作会社へ。2004年よりフリーに。著書に「家づくりのホント~欠陥住宅にハマらない心得」(週刊住宅新聞社)など。2009年2月に自邸が竣工。
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