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[第14回]クリス智子さん

 今年で10年めとなるJ-WAVE『BOOM TOWN』ナビゲーターのほか、今年は自身のルーツであるハワイと向き合ったフォトエッセイを発表し、同書を共著したシンガーソングライター、おおはた雄一さんとコラボレーション・アルバムでシンガーにも挑戦するなど、活躍の場を広げているクリス智子さん。インテリアやアートにも造詣が深いクリスさんが考える住まいとは?10月7日に新創開館する根津美術館で、お話を伺いました。

アメリカに住む親戚の影響で、アンティーク家具好きに

――つい最近、引越しをされたのだとか。お部屋選びはスムーズでしたか。
クリス智子「わりと部屋選びのポイントがはっきりしているほうなので、決めるのがホントに早いよね、とよく言われます(笑)。まずは低層階であること。それから犬の散歩に気持ちのいい環境で、部屋からの借景が楽しめること。帰ってきたくなる場所かどうか、ということも大事ですね」

――"帰ってきたくなる場所"というのは、建物とか間取りではない、周辺全体の雰囲気も含めてということですね。
クリス智子「家だけでなく、街の雰囲気や歩いている人々が持つ全体的な空気感というか...。以前住んでいた場所とそれほど離れていないんですが、やっぱり街が変わると雰囲気も変わりますね」

――部屋そのものには、何か自分なりのこだわりはあるのでしょうか。
クリス智子「古いアンティークの家具を持っているので、それが似合うかどうか、ちゃんと置ける場所をつくれるかはチェックしています」

――アンティークの家具は以前からのご趣味なのだとか。
クリス智子「アメリカに住む親戚がアンティークの仕事をしているため、マーケットに出品する時に手伝ったりして、小さい頃から身近に感じていました。遊びに行くたびに"こんな家具ほしいな"って思っていて(笑)」

――小さな頃からアンティークの良さを感じていたんですね。
クリス智子「古い家具特有の、少しくたびれた感じが好きなんです。今の部屋にあるのは、アメリカの納屋で使われていたターコイズブルーの道具入れなんですが、私は本棚として使っています。ほかにもガラスの扉がついたシャツケースを食器棚にしたり...古い家具は、そうしたラフさというか、用途を自由に変えられる大らかさがあっていいですね」

無意識に目に入る部屋の風景を大切にしたい

――インテリア好きだともうかがっています。あちこちショップをのぞいたりしているんですか?
クリス智子「日本はもちろん、海外に出かけた時もよくインテリアショップをのぞきますね。アメリカからは、ドウボーイという大好きなキャラクターのクッキージャーを機内に抱えて持ち帰ったり、日本でも、1920年代の石が土台のランプに惚れ、送ってもらうのが待てず、そのまま引きずるように東京の町を歩いてタクシーに乗り込みました(笑)」

――どれも味わいがあって、雰囲気づくりにひと役かいそうなものですね。
クリス智子「家の中で無意識に目に入るものって、とても大切だと思うんです。場所ごとに、お気に入りの風景がいくつかあるとステキですよね。例えば、ここに座るとナチュラルな雰囲気の風景、また別の場所にいくと赤がテーマになった風景とか。旅に出て刺激を受けたものやイメージの残像を部屋におきたくて、そうした風景を部屋の中に再現したりしています」

――いろいろな風景を部屋に置く、という発想はとても興味深いです。具体的にはどのようにしているのでしょうか。
クリス智子「色や象徴的なモチーフを中心に組み立てたりします。バスルームはグリーンとパープルがテーマカラーで、シャワーカーテンやラグの色を合わせています。ベッドルームは、先ほどのターコイズブルーのアンティーク家具に、ドリームキャッチャーや松尾たいこさんの少し不思議なサボテンの絵を飾り、プリミティブ(原始的・素朴)な雰囲気にしています」

――ご自身もモノ作りがとても得意なのだとか。
クリス智子「手作業が大好きで、家具の塗装を自分ですることもあります。今年の2月から3月にかけて仕事でハワイに行ったんですが、帰ってきたら無性に"版画が彫りたい!"という衝動にかられて(笑)。時差ぼけのまま東急ハンズへ材料を買いに行って、家でひたすら彫り続けてスッキリした~!みたいなこともありました(笑)」

クリス智子さん
アートが大好きで「よくギャラリーに行くし、アートイベントのお手伝いも多いですね。根津美術館にももちろん来たことがあります」


左『サボテンの絵』
昨年、個展でトークショーをご一緒させて頂いたイラストレーターの松尾たいこさんの作品。トーク中から、会場の中のこの絵が目に飛び込んできて、思わず、帰りに買わせて頂きました。サボテンという、アリゾナを思い出すプリミティヴさとどこか未来や宇宙を感じる、松尾さんならではの個性的な空気に、一目惚れ。
寝る前に、目に入ると、おもしろい夢が見られるのでは?!と思い、飾るところも、買った時から、ベッドのそばと決めていました。いい夢、楽しんでいます。

右『ターコイズブルーの家具』
12年ほど前、時折訪れていた、西麻布のインテリアショップ『ハンプトンホーム』に寄った時、譲って頂きました。元々は、納屋で使われているような道具棚なのですが、アメリカのブランドショップでインテリアとして使われていたものを購入したそうで、「もう楽しんだから、譲りますよ」と言って頂いたものです。
これは、いつも人目をひくようで、最初の来客を驚かす鮮やかな色。住む場所に寄って、用途も変わるこの家具。現在は、本棚として使っています。 (上記写真と文章/クリス智子さん)


――今年は本の出版にシンガーデビュー、版画展もされて、表現の場がますます広がっていますね。
クリス智子「仕事に関しては自分が責任をもてることに集中したい気持ちが強く、あまりあれこれ手を広げない性格なのですが、今年はラジオのパーソナリティを始めて10年めということもあり、今だったらいいかな、と。パーソナリティの仕事は形にならない、見えないものを伝える仕事なので、何か物をつくってイメージを形にすることで、バランスをとっているのかもしれません」

子どもの頃、自宅は私の"秘密の空き家"だった

――生まれはハワイで、その後日本国内やアメリカ本土のフィラデルフィアなど、さまざまな土地での暮らしを経験していますが、子どもの頃影響を受けたようなことはありますか?
クリス智子「どちらかというと、場所より家の中で体験したことが、住まい観のベースになっていると思います。先ほどお話しした、アンティーク業を営むアメリカのおばあちゃんの家は、住んではいないのですが大きな影響を受けています。いろいろモノがあるのに心地いい空間だなぁ、と子ども心に感じていました」

――インテリア・コーディネートの原体験なんでしょうね。
クリス智子「小学校の頃は、ジュリー・アンドリュースの「マンディ」という本にも夢中になりました。秘密の空き家を見つけた孤児院の女の子が、いつかの素敵な夢をみながら、自分だけの空間を、こっそり楽しんでつくっていく様子が描かれています。どこか、似たものを感じていました。オトナになって、ようやくマンディのような楽しみを味わって楽しんでいます。とはいえ、小さい頃から、テーブルクロスの刺繍を手作りしたり、クリスマスには母にスーツを手作りで仕立ててみたり...そうやって、ものを作って、空間を独自のものにしていくことが大好きでした」

――それはすごい!きっと自宅がクリス智子さんの "秘密の空き家"だったんですね。今は "こんな暮らしがしたい"という希望はお持ちですか。
クリス智子「自分の家を持てるとしたら、具体的にこうしたいというより"暮らしやすい、って何だろう?"ということを、まず考えると思いますね。心地いい環境、心地いい近隣関係、心地いいものなど、形にならないものの意味や価値を大切にしたいです」

――そうしたベースの上に、クリス智子さんらしい感性と手仕事で少しずつ味付けをしていくというイメージでしょうか。 クリス智子「知人が古いマンションを雰囲気よくリフォームしているのを見ると、いいなぁと思いますね。手間をかけることは全然苦にならないので、自分なりにアレンジを加えたりいろんなチョイスを持てるような、柔軟な家や暮らし方が理想かもしれません。それこそ秘密の空き家とか、テントひとつから始めてもいい、みたいな意識はいつも心のどこかにあります」

クリス智子さん プロフィール
5月1日 ハワイ生まれ、横浜育ち。J-WAVE「BOOM TOWN」(月~木9:00~11:30)のメインパーソナリティは10年目。好奇心旺盛なインタビューやリスナーとのコミュニケーションに定評あり。現在、ラジオ、TV・CM ナレーション、雑誌連載の他、朗読舞台やTVレギュラー番組への出演など、各方面にフィールドを広げて活躍中。2009年5月には、おおはた雄一×クリス智子としてミニアルバム『lost&found』をリリース。6月には初の著書『懐かしいのに、はじめまして』(ブルース・インターアクションズ)を出版。HPの写真や文章も好評。
オフィシャルサイト
http://www.christomoko.com
【インフォメーション】
「trick&tweet」
クリス智子さんのインタビューを行った「根津美術館」(設計・隈研吾)が10月7日(水)3年半ぶりに新創開館!伝統と現代性が調和した美術館にはミュージアムショップ、庭園内カフェがあり、自然に身をゆだねる充実した時空間を味わうことができます。

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