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インタビュー 家について話そう
「何もないリビングが体育館がわりです」[第1回]イラストレーター 平松昭子さん 取材・文 本間貴志 撮影 佐々木信行


「午後に日舞のお稽古がある日は、着物で仕事場に行く時も」と平松さん。

女性ファッション・着物・子育て・政治経済・男性カルチャー…
ジャンル横断で、各メジャー雑誌からのイラスト依頼や取材が絶えない平松昭子さん。
「仕事」と「子育て」の両立だけでもお忙しいはずなのに、日舞・水墨画・ドラムなど、お稽古ごともされていると伺い、平松さんが何人分もの人生を歩まれているように感じました。時間は平等なのに、どのようなライフスタイルで、平松さんは何人分もの人生を可能にしているのでしょう。目黒区某所のご自宅を訪ねました。

“めりはりのある団欒”が平松さん流

-はじめて訪問するお家ですが、平松さんのお宅は友人の家のようにリラックスできます。
平松「この家が全体的に美術館みたいな雰囲気だからでしょうか―」
-確かにそうですね…ギャラリーのようです。
平松「私は何もない空間でないとくつろげないんです。ホテルのような感じが理想。だか
ら、なるべく室内に何も置かないようにしています。物がないと良いことがあるんですよ。
このリビングが体育館がわりになります。私が日舞のお稽古をしたり。息子がサッカーを
したり…」


寝室(ピンク)と子供部屋(ブルー)のドア。このドアを開ける度に気持ちが明るくなるでしょうね。

息子さん一人用の部屋なのに机が2つ。一方の机は平松さんが家計簿などを書くスペースにしています。

最近、リフォームペイントしたという白ベースの壁に平松さん自身のカラフルなイラストが映えます。

イラストは階段やリビングのアクセントとして数点を展示。隠れ家的なギャラリーを訪問したよう。

キッチンは平松さんが大好きな空色のタイルに。食器棚は使わずキッチン収納庫に全てしまっています。

衣装部屋。純和風な空間に見えますが、踏み台がわりにギターのアンプが置かれていたりします。
平松昭子さん プロフィール
1970年生まれ。広告プロダクション退社後フリーのイラストレーターに。玄光社主催第90回ザ・チョイス入選。現在、anan、週刊文春、OZ magazine、こっこクラブ、BAILA、Oggi、Ray、美的など、雑誌をメインにイラスト、マンガ等で活躍中。最近はテレビCM、教材アニメ、装丁、商品パッケージなど活動の場が広がっている。大の着物好きとしても知られる。

 -リビングが体育館がわりという方に初めてお会いしました(笑)。
平松「例えば、『今日、おかあさんは、8時から9時まで(リビングを)日舞のお稽古 で使うからね』と息子に言うと『じゃあ、僕は晩ごはんを食べてすぐ使いたい』と彼 は答える…そんな風に家族間で調整しあって使っています。もし、リビングに大きな TVを置いてゴロゴロしていたら、うちの家族の場合、どこまでもだらけちゃいます から。月曜日から木曜日までは、だらだらしない。でも、金曜日は特別で外食もして ゲームもし放題。めりはりをつけています」

光がキレイに映えるペイントリフォーム

-このお家に住んでから、どれくらいですか。
平松「2001年に購入しましたから、住みはじめて7年になります。間取りは、一階がバス
ルーム・洗面所、それに私の衣装部屋。2階はリビングとキッチン。3階が私の部屋と子供
部屋です」
-まだ建ってから1年以内のお宅かと思いました。
平松「今年の5月に、階段や3階の部屋、ドアなどを塗り替えましたから。それまでは壁紙
だったんですけど、ペイントは良いですね。晴れの日とか光がすごくキレイに映えて。塗り
は(世田谷区)用賀のカラーワークスさんという所にお願いしました。
とっても満足しています」
-平松さんの作品はカラフルなものが多いので、お家もそうなのかと思っていました。白ベ
ースでイラストの世界とは全く違いますね。
平松「もともと私は、シンプルな絵やファッションイラストを描いていました。でも、その方向
ではちっともお仕事をいただけなかったので…周囲から求められることと、自分のやりたい
ことは違うんですね。8割は求められる仕事をして、残りの2割で自分のやりたいことを個
展や書籍で表現して、自分なりにバランスをとっています」

その時々で自分の理想の環境を考える

-お仕事のことを伺いたいのですが、お子さんが今小学5年生ということは、平松さんが売れっ子になった時期と子育て期間が完全に一緒ですね。よく両立されたなと思って。
平松「それは、もちろん大変でしたよ。(子供の)命の責任を抱えながら、仕事の締 め切りに追われる緊張感…息子が具合が悪い時は、打合せ場所を事務所から自宅に変 更してもらったり。小さい頃は、ベビーシッターさんをお願いしたり。私の収入のほ とんどがベビーシッターさんの費用になっていた時期もあります。それでも、休む気 にはなれなかったんですね。いくら収入が残らなくても後で取り返す自信もありまし たし。今は息子も小学校の高学年、子育てが大分楽になりましたね」
-子育てと仕事を両立されるには、住居と仕事場が一緒の方が楽ではないですか。
平松「最初は一緒だったんです。でも今は、仕事と家事の時間・空間をきちんと分け た方が良いようですね。でも、必ず分けないとダメ、って決めつけてはいませんね。 数年で仕事のリズムも変わりますから、あくまでも”今は”ですね。私は決めつける と上手くいかないタイプ。その時々で何が自分にとって良いかを考えて、微調整して います」

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