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インタビュー 家について話そう
「仕切りのない家で愛犬との暮らしを楽しんでいます。」[第2回]プロゴルファー 村口史子さん 取材・文 田中やすみ 撮影 新保マサル 


何度も色味をチェックしたイタリア製のタイルを、リビングからデッキまで張りました。天気のいい日は窓を開け放し、ソフィと家の中と外を行き来して過ごします。計算された建具の収まりは建築家のこだわり。

 1999年に賞金女王になり、04年の競技ツアー引退後はテレビのゴルフ解説などで活躍している村口史子さん。昨年の秋、それまで暮らしていた自宅を建て替え、建築家の設計によるこだわりいっぱいの住まいを新築しました。庭と一体感のあるタイル張りのリビング、柔らかな印象の塗り壁、造形家・松岡信夫さんによるアイアン作品など、絶妙なバランスで素材のミックス感を味わえる住まいでどのように過ごしているのか、ご自宅を訪問してお話を伺いました。

分譲一戸建てをリフォームするつもりが建て替えに

――きっかけは犬を飼い始めたことだったとお聞きしています。
村口「分譲一戸建てだった前の家でラブラドールレトリバーのソフィと暮らし始めたんですが、小さい頃足を痛めていたことがあったのでフローリングでない方がいいと思って。私も細かく仕切られた間取りの使い勝手が悪かったので最初はリフォームにしようかと」
――リフォームするつもりが建て替えになってしまったんですね。
村口「ひろびろとした空間で暮らしたい!とずっと思っていたんです。でも、元の家は工法的にそのようなリフォームがしにくいといわれて。そんな時、近所のよく行くギャラリーのオーナーから建築家の石井輝子さんを紹介していただいたんです」


2階のハイサイドライトが印象的な外観。夜はここから優しいオレンジ色の光がこぼれます。

オリジナルの玄関はアイアンの取っ手と明かりとりの窓で表情をつけています。

暖炉も造形家、松岡さんの作品。手前のシーリングライトは陶芸作家、宇賀さんのオリジナル。

1階の一番奥に位置するキッチンとカウンター。大きな窓から緑が溢れ、まるでリゾート地にいるよう。

2階ホールから吹き抜けを見下ろしたところ。真ん中の大きなソファは愛犬ソフィの特等席です。

にじり口のような低い窓とアールを描いた天井の左官仕上げで落ち着いた雰囲気の和室。
村口史子さん プロフィール
高校卒業後、OL生活を経て千葉CCに入社。郡司洋ヘッドプロの下で練習し90年春にプロテスト合格。同年のいすゞレディースでデビューし、最終日に8バーディ2ボギーの66で回って8位となり注目を集めた。初優勝は91年6月(2年目)のサントリーレディス。8月のanクィーンズカップで2勝目をあげ、新人賞を獲得する。3年間守ったシードを失うという不調(94年)もあったが、99年には2週連続を含む自己初の年間3勝を達成、初の賞金女王の座に輝く。2004年最終戦終了後にツアー競技からの撤退を電撃的に宣言。2005年からはテレビ番組出演、トーナメント解説などで活躍中。

ダイニングテーブルをなくし、無垢板のカウンターでもてなす

―― 石井さんとの打ち合わせでは、具体的な希望を伝えたんですか?
村口「まず仕切りがないこと、そして庭と一体化したリビングがほしいと伝えました。ソフィのためにリビングの床はタイルに。あと、ダイニングテーブルはいらないと」
――ダイニングテーブルがないLDK・・・どうしてそのように考えたのですか?
村口「料理を作りながらもてなすことが多いので、そのほうが使い勝手がいいし一緒に会話も楽しめると思って。石井さんと話し合ってキッチンに無垢のクルミの大きなカウンターをつけ、そこで食事をするスタイルにしました。昨日も友人を呼んでカレーを作ったんですが、このキッチンは玄関から誰かが入って来たとき、ちょうど目が合う位置にあるから迎えにいかなくていいい。すごく使い勝手がいいんですよ(笑)」
――リビングを中心に、建物の対角線上に玄関とキッチンがありますね。この配置によって、実際の距離以上に広さと奥行きを感じます。
村口「石井さんは斜めの線を使うのが得意な建築家なんだそうです。1階はLDKと和室だけですが、大勢のお客さんが来た時など和室まで開け放すとひとつのフロアに色々なコーナーができるんですね。カウンターや和室、その手前の階段とかリビングの作り付けベンチとか、みんなそれぞれ自分の好きな場所に座っておしゃべりしていますよ」
―― 家の中にいろんな居場所があるのっていいですよね。
村口「リビングは吹き抜けで開放感があるし、キッチンカウンターや和室はちょっと天井が低くて落ち着けるスペース。場所によって雰囲気が変わるのも楽しいですね」

自然素材のぬくもりと作家ものの絶妙なバランス

―― この家は木がふんだんに使われていて、本当に落ち着けます。アールを多用した壁やラフに仕上げた珪砂漆喰の塗り壁、そしてアイアンの手すりや暖炉があって、シックなリゾートコテージにいるみたいですね。
村口「こうした組み合わせは石井さんにお任せした部分が大きいですね。でも壁の色はどうしても好みの色にしたくて。風合いの出し方は腕のいい左官職人さんが考案したもので、質感が気に入っています。手すりやブラケットライトでアイアンの作品を作っていただいた造形家の松岡さんのほか、やはり近所のギャラリーを通じて常滑在住の陶芸作家の宇賀和子さんにペンダントライトも作っていただきました」
――自然素材のぬくもり感と作家もののオブジェのようなインテリア。このバランスが居心地の良さにつながっているように思います。
村口「ペンダントライトも最初はアイアンだったんですが、ここはどうしても暖かみのある灯りのイメージにしたくて、ほんのり白熱灯の光が漏れる陶器製にしたいとお願いしました。夜、家に帰ってきた時、2階の窓からオレンジ色の光が見えるとホッとします」
――村口さんがこの家で一番気に入っているところはどこでしょうか?
村口「漆喰の壁は吸湿性が高くて、真夏に帰宅しても部屋がモワッとしていないのには驚きました。冬は冬でリビングのタイルの下が床暖房なので、朝起きたときに前の日の温もりが残っていて寒く感じません。でも、やっぱり一番気に入っているのは、仕切りがなくて広々としたところですね。ソフィものびのびしてて気持ち良さそう。石井さんに最初の相談をしてから完成まで設計1年、工事10ヶ月で2年近くかかりましたが、それだけ時間をかけてじっくり家を建てて本当によかったと思っています」


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