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 インテリア、ファッション、フード、雑貨など様々なジャンルで長年スタイリストとして活躍されている渡辺トシコさん。1995年より主宰しているフードコーディネータースクール「Tu as raison.」では、食卓を中心とした空間コーディネートのテクニックを教えています。今回は講義を行っているハウススタジオで、食卓だけでなく空間をトータルで考える方法について伺いました。

住居を決める前に、具体的な生活イメージを考える

――渡辺さんご自身は、自分らしい暮らしを手に入れるために、どのようなことをされていますか。
渡辺「賃貸でも購入でも同じだと思うんですが、部屋を探す前に、一度『自分がどんな生活をおくりたいのか』を具体的にイメージすることが大切だと思いますね。私の場合、"窓が大きくて自然光が入る""広々としている""周辺が静かな環境"というのがどうしても譲れないポイント。具体的には、日曜日の午前中、明るくて静かな部屋で鳥のさえずりを聞いたり、静かにBGMを流したり、秋には虫の音を楽しんだり...という生活イメージをふくらませるんです」
――空間やインテリアというより、暮らし方を具体的にイメージするんですね。
渡辺「妄想の世界でもいいんですよ(笑)。考えるのは自由ですから。そうすると、おのずと建物の周りの環境や街のイメージが浮かんでくるんですね。住戸を決めるのはそれからでいいと思うんですよ」
――周辺の環境は暮らし方に大きく影響しますからね。
渡辺「静かな住宅街か、駅から近い便利な場所か。この違いだけで街はもちろん、住んでいる人の雰囲気も随分違います。室内は後から色々変えられますが、環境は変えられないのでじっくり考えたいですね」


「リゾート」をテーマにしたコーナー。小さなスペースでもタイルの色とニッチの飾りで遊び心が楽しめる

キッチンにも思い切った色使いを施すとこんなにキュートに。塗装のマットな質感とガラス雑貨の透け感でやさしい雰囲気

ビタミンカラーは比較的合わせやすい色。食卓の雰囲気を変えたい時にはぜひ挑戦してみたい

濃いブルーの壁紙についた雪模様は、なんと手作りのスタンプを上から押しただけ。絶妙な擦れ具合が部屋に馴染んで
器あそび 私の好きな、ごはん時間
渡辺トシコ 著

5棟あるハウススタジオの一つで。
独特の風合いを持つ特注ガラスや窓のデザインがアンティークな雰囲気

インテリアのミックスカルチャーは2種類までに抑えたい

――現在のお住まいについてお聞きしてもいいですか?
渡辺「実は私自身も次の住まいをじっくり探している途中で、今は1LDKのレジデンシャルホテル住まいなんです。とはいっても"いかにも仮住まい"という感じではくつろげないので、濃い茶系の木と白い壁という内装に合わせて、茶色、白、ベージュを中心にモダンな雰囲気にまとめています」
――シックで落ち着いた大人の空間というイメージでしょうか。
渡辺「そうですね。以前住んでいた家も、シンプルでモダンなインテリアでしたね。でもそれだけでは味気ないので、暖かみのあるものをプラスして。カーテンはあえて重厚なものにしたり、アフリカの民芸品をひとつ置いてみたり。この民芸品は脚がアイアンなので、モダンなインテリアに馴染みやすかったですね」
――同じテイストだけでまとめるのではなく、ちょっと異質なものを組み合わせるというのは、ぜひ取り入れてみたいテクニックですね。
渡辺「ええ。現在はさまざまなテイストを組み合わせた、ミックスカルチャーのインテリアが人気ですよね。でも、日本の一般的な住宅の広さでは、合わせるのは2種類位までに抑えたいですね。エスニック+モダン、のように。もう少し広いスペースがあれば、コーナーごとにテイストを変えることもできますが」
――組み合わせ方を考える時、具体的にどうすればいいでしょうか。
渡辺「お部屋のテイストやコーディネートを考える時、洋書はとても参考になりますね。洋書の充実した大きな書店に行くと『プロヴァンサルスタイル』や『モロッコスタイル』などテイスト別にさまざまな本があるので、それでまず自分の好きなテイストをみつける。そして、そこに置かれている家具や小物類などをよくチェックしておくと、街を何気なく歩いていた時に"あ、こんな感じのものが本にあったな"と自然に目に飛び込むようになってきますよ」
――漠然と眺めるのではなく細部まで見て具体的なイメージを持つというのは参考になります。意外性のある組み合わせでも、不思議とマッチしていることが多いですしね。少々上級テクニックという気もしますが...
渡辺「私は、よほど高額なものでなければ、怖がらないでたくさん失敗したほうがいいと思うんですよ。衝動買いもどんどんしたほうがいい。そうするうちに、部屋に似合うものがわかってくるんですね。これ似合いそうだな、って考えて新しいものを部屋に置くと、空気が変わったように感じますよね。そういう感覚をいつも磨き続けるのは、とても大切だと思うんです」

とんでもなく大胆な色の食器は、案外合わせやすいんですよ

――食事をつくったり食べたりする場所を心地よくしつらえることはとても重要だと思うのですが、キッチンやダイニングに関するアドバイスはありますか。
渡辺「キッチン用品はかわいいものがたくさんありますよね。私もつい『カワイイ!』だけで買ってしまい、失敗したことがたくさんあります(笑)。でも道具はやはり、機能性の高いきちんとしたものを選びたいですね。例えばクリステルのお鍋はアルミ合金をステンレスではさんだ三重構造なので、煮えるのが本当に早い。調理時間が短いので省エネにもなります。柳宗理のボウルやグローバルの包丁など、世界中のシェフが選ぶような人気の高い道具は、機能性だけでなく、デザイン性も非常に優れているのが魅力ですね」
――雑多になりがちなキッチンにこそ、デザイン性の高いものを取り入れたいところですね。食器選びについては、どうでしょうか。
渡辺「これから揃える人は一度に全部揃えようとしないで、最低限必要なものから少しずつ買い集めるのがいいと思います。私が今持っているのは、仮住まいということもあるのですが、お茶碗とお椀、お浸しなどを入れる小鉢、ちょっとした麺類を食べるボウル、ミート皿、パスタ皿、お鍋の具を置いたり大皿料理に使う楕円形のお皿、取り皿、これだけです。どんな料理にも合わせられるよう、無国籍なイメージでまとめています」
――なるほど。ではひと通り食器のある家庭の場合、テーブルコーディネートに関するアドバイスはありますか?
渡辺「時々とんでもなく大胆な色のものを合わせるのは、おすすめです。真っ赤なお皿やランチョンマットとか。皆さん驚かれますが、大胆な色は案外合わせやすいんですよ(と、著書から目の覚めるようなライトグリーンとスカイブルーの食器を組み合わせたテーブルコーディネートを見せる)」
――確かに!色味の強い個性的なお皿は、お店で見ると何を盛り付けていいのか迷いますが、こうしてみると意外と何でも合いますね。お皿だけを近くからマジマジと見るのではなく、ちょっとひいた視点で眺める、というのがポイントのような気がします。
渡辺「最近は海外の作家も"和"のエッセンスを取り入れた、柔らかな色彩の食器をたくさん発表しています。強い色調のものはちょっと、という方でも、こうしたものなら比較的取り入れやすいと思いますよ。ぜひ挑戦してみてください」

渡辺トシコさん プロフィール
東京生まれ。フードビジネススクール Tu as raison主宰。スタイリストとして雑誌「LEE」「W-,7+」「クロワッサン」のほか企業のテレビCMにも数多く携わり、現在はテレビ番組のメニュー開発や番組制作でも活躍中。スクールではお料理とテーブルコーディネートを教えている。食の楽しみは生活の一部ととらえ、生活全般を楽しむ暮らしぶりにファンも多い。
Tu as raison http://www.foodex.co.jp/
取材協力 スタジオ ミモザハウス http://www.pastis.co.jp/stMIMOSA/mimosa.html

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