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[第11回]生方ななえさん

 ファッション誌「Grazia」(講談社)専属カバーモデルであり、TVやCMなどで幅広く活躍中の生方ななえさん。抜群のスタイルと凛とした雰囲気は、大人の女性ならではのたおやかさを感じさせます。プライベートでは陶器・漆器のお店や美術館へ頻繁に訪れ、好みの作家の作品も少しずつ揃えているとのこと。年齢を重ね、少しずつ住まい感も変わってきたという生方さんの素顔に迫ります。

自然なぬくもり感のある作家ものの器を少しずつ揃えています

――インテリアがお好きで、いろいろなところに出かけるそうですね。
生方「はい、撮影の帰りなどに、丸の内のコンランショップや青山のhhstyleにはよく立ち寄ります。アンティークショップも好きですね。目黒通り沿いにたくさんある家具屋さんも好みのお店が多くあるので、時間を見つけては足を運ぶようにしています(笑)」

――モダン系からアンティークまで、守備範囲が広そうですね(笑)。最近はどのようなものがストライクゾーンなのでしょうか。
生方「以前はモダンでシャープなもの、色でいえば白や茶色、黒といった大人っぽいテイストで揃えていました。今から思うと、少し背伸びしていたのかもしれませんね。半年前に今の部屋に引っ越してからは、少し肩の力が抜けたみたいで、違うテイストのものをミックスして全体の調和をとる、というのを楽しんでいます」

――この頃人気のミックススタイルですね。どんなものを加えているのでしょうか。
生方「自然なぬくもり感のあるものとか、作り手の人柄を感じられるような味わいのあるものに惹かれますね。また、器がとても好きなので、個展に足を運んで少しずつ作家ものを増やしています」

――具体的に好きな作家さんはいらっしゃいますか?
生方「そうですね。荒川尚也さんという京都在住のガラス作家の方がいらっしゃるんですが、とてもやわらかく温もりを感じる作風が素敵なんです。個展を何度か訪れるうちに、ボウルやグラス、ピッチャーなどが集まってきました。陶芸家の内田鋼一さんは、洗練された温かみのある作風でとても人気のある作家さんです。一見、和のテイストですが、洋菓子にもしっくり似合うんですよ」

ミックススタイルの原体験は父が集めた摩訶不思議なインテリア

――ご出身は群馬県ですが、どのような家で幼少期を過ごしたのでしょうか。
生方「田舎によくある、ごく普通の日本家屋です。ただ両親、特に父がとても自由な発想を持っていて、壁紙をかえたり、床を張り替えたりするなど自分流にアレンジした家でした」

――職人さんというわけではないんですよね。
生方「はい(笑)。学校から帰ってきたら、朝はあったはずの床がなくなっていて、地面が見えている…なんてこともありました。自分たちでつくるという雰囲気が日常だったので、私が子どもの頃『スヌーピーのマンガに出てくるようなかわいいポストがほしい!』といったらすぐ見つけてきて、設置してくれたり。日本家屋の前に唐突に設置された、絵に描いたような外国風のポスト(笑)。今もまだそのまま残っています」


インテリアもファッションも本当に気に入ったものしか持たない。一戸建てに住んだら家庭菜園にも挑戦したいのだとか


(左)アッキレ・カスティリオーニ デザインのTOIO(トイオ)は、ショップで一目ぼれして購入したもの。
(中)盆栽のような形(?)が気に入っている植物。
(右)イサム・ノグチのAKARI(アカリ)。やわらかい明かりに ほっとします。

――全体のバランスはともかく、子ども心には大満足ですよね。ほしいものはなんでもお父さんがつくってくれる、と。
生方「ただ、子どもの頃には、不思議だなぁと思うものもたくさんありました。例えば、父はスリランカで見つけたお気に入りのドアを購入して自宅に取り付けていたのですが、サイズもデザインも全然和風ではないのに、なんだか馴染んでいました(笑)。雑貨類も不思議なものがいっぱいありました。世界遺産のシギリアロックに描かれた、シギリアレディのバティックという染め物を床の間に堂々と飾っていたりして、それが上半身裸の女性の画なので、友だちが来たときにとても恥ずかしかったのを覚えています。フィリピンで買ってきたヘビのマスクなんてものもありましたね」

――とても斬新な感性をお持ちのお父さんですね。バランスをうまくとれば、とても格好いい雰囲気にもなりそうな気も、少ししますが…
生方「こういう感性もありかなあ、と思えるようになったのは、私が大人になった最近のことですね。私が今の部屋で、カチッとしたイメージを少しずつ変えようとしているのは、もしかしたらそんな父の影響があるのかもしれません」

ライフスタイルにおいて、家が占める役割はとても大きい

――現在はどんな部屋にお住まいなんですか。
生方「今は2LDKに住んでいます。私は引越し好きで、これまで数回お部屋を変えているのですが、今の部屋はかなり時間をかけて見つけたお気に入り。長く住むことになりそうです」

――具体的にはどんなところが気に入ったのでしょうか。
生方「部屋の一面が全部窓になっているので眺望が抜群なんです。それから、キッチンの両側からリビングに入ることができる、回遊性のあるちょっと変わった設計も気に入りました。リビングの中心に柱があるんですが、それも個性的で…(笑)」

――生方さんにとっての「家の時間」、最近はどのような過ごし方をしていますか?
生方「オフの日に散歩やピクニックなどアウトドアに出かけることも好きですが、家でのんびり、読書やDVDで映画を観て過ごすことも多いですね。キャンドルやアロマスティックなどの香りで部屋ごとに雰囲気を変えて楽しんでいます」

――アクティブで刺激的な日々をクールダウンする場所、というイメージでしょうか。
生方「そうですね。”家”は住む人の人格形成というか、パーソナリティにとても大きな影響を与えていると思うので、本来の自分に戻れる、どこか温かくてぬくもり感のあるものを傍に置き、自分が心地良いと感じる空間づくりを目指しています。ライフスタイルにおいて、家が占める役割はとても大きいと思います」

――将来、こんな家でこんな暮らしがしたい、という願望はありますか。
生方「田舎育ちなので、特に奇をてらわない、日本の家が落ち着くような気がします。ユーズドの家具をコレクションではなく普段遣いして、お気に入りの椅子も1脚ずつ揃えるみたいな暮らしがしたいですね」

――お話を伺っていると、時間を経て味わいもの増すもの、物語性のある手仕事のものがお好きなんだな、と感じます。
生方「そういえば…そうですね!今日お話ししていて、自分が本当に好きなもの、したい生活というのが、逆にはっきりしてきたような気がします。以前撮影で使わせていただいた、渋谷区南平台の古いマンションが本当に素敵で、そうしたものが似合いそうな雰囲気でした。父がそうしたように、私も和風、洋風といったジャンルにとらわれず、自分らしい空間を少しずつ作り上げていければいいですね」

生方ななえさん プロフィール
1979年群馬県生まれ。モデルオーディション日本大会で準グランプリを獲得しデビュー。09年1月号より女性ファッション誌「Grazia」(講談社)の新ミューズとして登場。最近はテレビや映画に出演するなど幅広く活躍中。また、ジョギングやバスケットボールなど、運動神経は抜群。その健康的な美しさは、日本発信の世界に通用するアジアンビューティーとして、多方面から注目を浴びている。
趣味は読書や散歩、陶器・漆器屋巡りや美術館での芸術観賞など。
オフィシャルブログ「生方ななえの徒然なるままに… 」
http://ameblo.jp/nanae-ubukata/
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