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マンション売却のコツ

2015年05月27日更新

売却を依頼する仲介会社の選び方

マンションの売却を仲介会社に依頼するとき、いくらで売り出すのか、一般媒介か専任媒介か、あるいは専属専任媒介かといった問題もありますが、それと同時に重要なのが「どこに頼むか」です。ここで誤った選択をすれば思うように売却できないことになりかねません。仲介会社の選び方で気をつけるべき点について確認しておきましょう。

■マンションの売却が不得意な仲介会社もある!

不動産会社はどこも「宅地建物取引業」の免許を受けて営業しており、この免許があれば不動産取引に関する大半の業務を取り扱うことができます。つまり、制度の上ではどの不動産会社も「マンション売買の仲介」をすることが可能です。しかし、同じ不動産会社といってもそれぞれの得意分野が異なることには十分に注意しなければなりません。

不動産業務のうち、とくに仲介をメインに取り扱うところを「仲介会社」と呼ぶことが多いものの、その中でも賃貸の仲介がメインの会社、売買の仲介がメインの会社などがあります。さらに、売買の仲介がメインの会社でも、土地や一戸建て住宅の売買、マンションの売買など主な取り扱い対象が異なる場合もあるのです。

地方都市や郊外では、1つの仲介会社で売買も賃貸も、土地も一戸建てもマンションも何でも取り扱っている例が多いでしょう。ところが東京や大阪などの大都市では、そのうちどれかに特化した仲介会社も少なくありません。ただし、大きな仲介会社では売買部と賃貸部など、社内で担当部署が分かれている場合もあります。

いずれにしても、マンションを売却するときには「マンションの売却が得意な仲介会社」に依頼することが基本です。ところが、ほとんどの仲介会社は「当社はマンションの売却が苦手です」などとは言わないでしょうし、仮にマンション売却の仲介をした経験がなくても、頼まれれば査定や媒介契約に応じる仲介会社は多いでしょう。

したがって、媒介契約をする仲介会社を選ぶ際には、自らが相手先の特性を見極めることも大切になってきます。しかし、実際にはそれがいちばん難しいところかもしれません。

■売却を考え始めたら、まずは事前のリサーチを

ある日突然に売却の必要に迫られ、数日のうちに依頼先を決めなければならないなどというケースは滅多にないはずです。たいていは「そろそろ買い替えようか」「今マンションを売ったらどうなるだろうか」などと考え始めてから、ある程度の期間をかけて具体的な行動に移すことでしょう。

そこで、売却を考え始めたときにはまず、インターネットで同じ沿線、同じ市区町村の物件を情報検索サイトで探してみます。マンションの売却物件を取り扱っている仲介会社をいくつかピックアップし、さらにそれぞれの会社のWEBページを閲覧してみましょう。その中でマンションの取り扱いが比較的多そうな仲介会社をメモに残しておくようにします。

また、新聞を購読している人は折り込まれるチラシにも気をつけるようにしましょう。以前に比べれば仲介物件の新聞折込チラシは少なくなっているでしょうが、それぞれの仲介会社がどのような広告をしているのか知るための一助になることがあります。さらに、近所のマンションで「オープンルーム」などの看板を見かけたときには、その仲介会社も控えておくようにしましょう。「マンションの査定を受けるときのポイント」でも説明したとおり、それぞれの仲介会社が「どのように売るのか」も重要ですから、周辺の中古マンションが「どのように売られているのか」にも注意を向けておくことが欠かせません。

このようにして、あらかじめピックアップしたいくつかの仲介会社へ価格査定の依頼をし、その結果や営業姿勢などを見て、どこに任せるのかを判断するようにします。

■大手か中小かよりも、信頼できる相手かどうかが重要

仲介会社を選ぶときに大手か中小か、あるいは営業経歴が長いか短いかは、あまり重要なポイントではありません。大手でも支店長以外は新人ばかりという例もありますし、中小の仲介会社がベテラン揃いの例もあります。また、営業経歴の長い会社が旧来の営業方法に固執し、新しい会社が積極的にメディアを活用するような場合もあります。不動産業界の悪い慣習を変えようとする意欲を持った人が集まった、新しくて小さな会社もあるでしょう。

それよりも重要なのは信頼できる営業担当者かどうかであり、仲介会社の選び方の最終的な判断基準もここに置くべきです。仮に売却がうまくいったとしても、それが営業担当者の強引で買主を騙すような行為の結果であれば、後味の悪いものになりかねません。

また、売却活動の間は営業担当者と密接に連絡を取り合い、必要な情報はしっかりと教えてもらうことや、購入希望者の見学、契約交渉、契約手続きなどを円滑に進めること、さらには契約後の段取りまで十分なアドバイスを受けることも大切です。それが期待できる仲介会社を選ぶようにしたいものです。



イメージフォト:緑豊かな低層マンション「パークシティ浜田山」(2014年撮影)


【マンション売却のコツ】
<第1回>マンションを売却する前に知っておきたい基礎知識
<第2回>売却における専任媒介と一般媒介の違いは何か
<第3回>マンションの査定を受けるときのポイント
<第4回>売却を依頼する仲介会社の選び方
<第5回>マンション売却にかかる費用と税金
<第6回>中古マンション市況の調べ方
<第7回>「情報の囲い込み」とは?
<第8回>「ホームインスペクター(住宅診断士)」とは?




不動産コンサルタント
平野雅之
不動産コンサルタント 平野雅之

リックスブレイン代表。東京都、神奈川県を中心に20年以上にわたって不動産売買の媒介業務に携わる。取引実務に精通する専門家として一般消費者向けの相談業務や現実に即した情報発信をしている。オールアバウト「不動産売却・査定」「不動産売買の法律・制度」など幅広いテーマでガイドを務める。

 

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