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本当に暮らしやすいマンション選び

2010年05月26日更新

ポスト団塊ジュニアが注目する”超”大規模マンション

 今、新築マンション市場は「大規模物件」が注目を集めています。
 地域のランドマークになる巨大な建物。周辺環境を変えてしまうほどの広大な緑地。総戸数にして数百戸の特大スケールのマンションでしか出せない醍醐味が、多くのマイホーム検討者を惹き付けているようです。資産価値の点においても、(個別性を含むという前提でいえば)大規模マンションが有利だとするデータがあり、これも決断を後押しする要因になっているのではないかと推測します。

 そもそも「規模のメリット」は、集合住宅が持ち得る利点そのものでもあります。防犯や防災、保守修繕などにかかるパワーをお互いが分担し合えば、一世帯当たりに対する負荷の軽減につながります。さらに委託費の支払いと引き換えに、信頼のおける管理会社にまかせることができれば、日々の清掃から長期メンテナンス計画まで、かなりの業務量を代行してくれるはず。
 この、集合住宅の特長であるスケールメリットは、規模が大きいほど、よりその効果を発揮します。例えば、全戸分の駐車場を(周辺相場よりもかなり割安な利用料金で)設置できたり、24時間の有人管理などは大規模マンション特有の施設やサービスであって、数十戸規模のマンションで実現することは、ほぼ不可能といってよいでしょう。

 加えて、ここ10年ほどで、大規模マンションのスケールがより”大型化”したことも、背景として見逃せません。総戸数が500戸~1,000戸クラスの”超”がつくほどの大規模マンションが少なからず市場に登場し、付加価値の多様化がさらなる魅力となって、マイホーム検討者の関心を誘うのです。

 では、なぜこの”超”がつく大規模マンションが好評なのか、ということですが、もう少し具体的に、その理由を大きく2点に集約させて述べてみたいと思います。

 まず1点目は、前述したコスト面での有利さやサービスメニューの多様さに加えて、「共用施設の充実度」が圧倒的に上だ、ということです。数千円で泊まれるホテルのような豪華な「ゲストルーム」に、キッチン設備の付いた「パーティルーム」。また「ラウンジ」に「ライブラリー」と多彩な施設が、超大規模マンションでは当たり前のように用意されています。もちろん、供給者側はマーケティングの段階で、立地の特性や購入者のライフスタイルを想定した上での付加施設であるため、的外れな不要な箱ではなく、買った人にとって”重宝なスペース”が揃っているわけです。
 さらに、これらの施設は、仮に有料であったとしても、営利事業でない管理組合は、原価を上回る使用料は基本的に設定しません。したがって、利用者は(一般の外部施設に比べると)かなりリーズナブルな料金で利用することができるのです。また、この手の施設を有することは単に便利だというだけでなく、住まい選びに柔軟性をもたらします。例えば、お客さんが泊るときの用意や家で仕事をするときの書斎スペースなど、「頻度は高くないが、専有部に抱えざるを得ないと思っていたスペース」を共用部に吸収(代用)させることができるからです。このような”合理的な発想”は地価の高い日本、とくに首都圏では心強い味方にもなりえると考えます。

 次に、2点目の理由として「コミュニティづくり」が挙げられます。とくに小さい子どもを持つ家庭では、子育てのしやすい環境を優先して住まいを選ぶ傾向があるわけですが、まわりに同年代がたくさん住んでいれば、親も子も友人を作りやすく、家族全員がのびのびと暮せる環境が形成できます。そんなマイホームの理想像と、多くの世帯が暮らす超大規模マンションとが好相性であることは論を俟(ま)ちません。
 その意味では、かつてニュータウンが注目された時代もありましたが、少子高齢化を迎えた現代では、「利便性の良さ」が住まいの条件において重要視される傾向がより強まっています。したがって、やはりまずは「駅から近い」こと。次に、これから街が新しくスタートするような勢いを感じさせる超大規模マンションを中心に構成されていく地域であること。この2つの条件がそろった立地には、20代後半から30代前半の若い夫婦世帯の関心を集めることができるようです。

 これからの自分たちの人生と重ね合わせ、フロンティアな気持ちを携えて新居を構える。この世代の高まる期待を街が受け入れ、その発展の歩調がうまくかみ合えば、人気エリアとしてのブランドを確立することにもつながります。この20年の間の例を挙げれば、「新浦安」や「海浜幕張」あたりがそれに該当するのではないでしょうか。

 いま進行中の開発案件の中で、そんな候補のひとつとなりそうなのが、つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス」。国立大学の英知を街づくりに積極的に取り入れ、豊かなコミュニティを育てる試みが斬新。現在販売中の「パークシティ柏の葉キャンパス二番街」は、最新のエコ仕様も採り入れた次世代型マンションに仕上がっています。なぜ、”超”大規模マンションが注目されているのか。その問いにわかりやすく回答している1棟といえるでしょう。


(左)「パークシティ柏の葉キャンパス二番街」F-100bタイプ(2LDK 100.40㎡)モデルルームのリビングダイニング。(右)「CO2見える化システム」ガイダンスコーナー。パークシティ柏の葉キャンパス二番街



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『家の時間』主宰
坂根康裕
『家の時間』主宰 坂根康裕

リクルート『都心に住む』『住宅情報スタイル』元編集長。ブログ「高級マンション TOKYO」All About「高級マンション」ガイドも努める。著書に『理想のマンションを選べない本当の理由』(ダイヤモンド社)

 

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