2009年11月18日更新
「新築か中古か?」誰もが悩む分岐点
マンション購入を考えるとき、まず「新築か中古か」その選択に迫られます。”まず”とあえて付けたのは、新築と中古では物件の探し方がずいぶんと違ってくるからです。どちらも不動産会社が取引にかかわる点では変わりませんが、新築の場合は担当者がある特定の物件に限られているためにそれ以外の物件を積極的に紹介されることはほとんどありません。が、中古なら仲介会社の担当者が条件に合った物件が見つかるまで、情報提供をしつづけてもらえます(ただし、気に入った物件があれば購入するという前提ですが)。したがって、受動的に待っていれば良い仲介(中古)と、積極的に情報収集して問い合わせる新築とではおのずと探し方が違ってくるのです。
もちろん、「買うなら絶対に新築!」とはなから決めている人もいるでしょうし、逆に割安な中古を買って「好きなようにリフォームして住みたい」という考えの人も増えてきているようです。どちらも個人の志向によるところが大きいのでしょうが、実際に新築マンションと中古マンションとではどの点が明確に違ってくるのでしょうか。
新築マンションのメリットでいえば、先進技術を駆使した設備仕様や構造面の優位性が大きいでしょう。専有部の最新化は中古でも可能ですが、共用部にあたる構造、セキュリティ、開口部などは個人の判断で変えることはできません。一方、中古マンションなら環境や眺望そして管理など現状を把握し、納得した買い方ができます。物件別の選択肢が多い点も中古が有利といえるでしょう。
お金の面でもずいぶんと違いがあります。中古は物件価格が割安な半面、仲介会社に払う手数料がかかってきます。また住宅ローンを使う人は、築年数によってローン控除が使えないケースもありますから注意が必要です。
さらに、意外と知られていない新築と中古の差があります。それは法律の制定時期による違いです。たとえば、00年以降に分譲された新築住宅には「品確法(住宅の品質確保などに関する法律)」に定められた10年間の長期保証や住宅性能評価書(任意)が装備されています。また03年の「シックハウス対策法」では24時間換気機能が義務付けられました。さらに09年施行の瑕疵担保履行法により分譲主の経営不安に対するリスクも軽減されています。
1981年に改正された建築基準法の耐震基準を境に、中古市場は資産性の評価が異なるといわれています。年代の違いと自分の価値観を照らし合わせて、納得のいく物件選びを心掛けましょう。
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- 『家の時間』主宰
坂根康裕 リクルート『都心に住む』『住宅情報スタイル』元編集長。ブログ「高級マンション TOKYO」。All About「高級マンション」ガイドも努める。著書に『理想のマンションを選べない本当の理由』(ダイヤモンド社)
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