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本当に暮らしやすいマンション選び

2009年10月28日更新

「建ぺい率」と「容積率」に上限がある理由

 不動産には、さまざまな法令や制限が定められています。土地を買って注文住宅を建てようとするなら、規制にまつわる不動産用語の多さにまず驚くことでしょう。理解するだけでも一苦労するはずです。これが分譲マンションともなれば、最低限知っておきたい言葉の数も限られてくるとは思います。しかし、だからといって面積や価格だけで単純に判断して良いわけではありません。物件にまつわるすべての情報の把握は、住まい選びを成功させる上で避けては通れない作業です。例えばチラシやホームページに書かれている「物件概要」欄。内容を理解するのはもちろんのこと、そこから得られる情報はできるだけ幅広く吸収できるようになることが理想です。

 例を挙げてみましょう。「物件概要」に記載されている用途地域ですが、定められた地域ごとに「建ぺい率」と「容積率」が異なることをご存知でしょうか。「建ぺい率」と「容積率」は、その物件のみならず、周囲の街並みを把握する上で大変重要な項目の一つです。そこで今回は「建ペイ率」と「容積率」から知り得る情報について、いくつかの視点で解説したいと思います。

 まず、「建ぺい率」とは敷地面積に対する建築面積の割合です。仮に100平米の広さの土地で、建ぺい率が50%に制限された地域であれば、50平米まで建築することが可能です。逆にいえば、最低50平米は空地として残しておかなければなりません。また土地が角地の場合であれば、10%の緩和が受けられます。
 次に「容積率」ですが、これは敷地面積に対する延床面積の割合です。同じく100平米の広さの土地で容積率の制限が200%の地域であれば、土地面積の2倍の200平米まで建物を建てることができます。

 そもそも「建ぺい率/容積率」は都市計画法に定める地域地区のなかの「用途地域」という項目で決められています。用途地域とは、「その地域をどのような役割、位置づけにするか」を定めたもので、大きく分類すれば、”住居””商業””工業”の3つに分かれます。  例えば、駅前の繁華街やオフィス街など商業を発展させたい地域であれば、「建ペイ/容積率」は比較的大きめの値(80%/300%など)に設定されています。飲食店や企業を集めて、街を繁栄させるためには背の高い建物(ビル)が不可欠だからです。逆に、閑静で落ち着いた邸宅街を目指した地域では、「建ぺい/容積率」が小さめの数値(50%/100%など)に設定されているでしょう。「第1種低層住居専用地域」に指定された地域などがその代表例です。

 話は少し飛躍しますが、高級別荘地として有名なリゾート地などは、この「建ぺい/容積率」が10%/20%程度に制限されている例もあります。そこでは、ある程度の規模の建物を建てたいなら、かなり広大な敷地を確保しなければならないということになってきます。そうすれば、敷地の9割が森のまま残るわけですから、”自然豊かな環境を守りつつ、閑静な別荘街を形成する”ことが実現できるわけです。思い描いた街づくりに、この2つの数値がいかに重要であるかがご理解いただけるかと思います。

 では、マイホームの視点でみればどうでしょうか。「建ぺい/容積率」で、単に空地の割合や建物の大きさだけを知るだけでなく、目指す街の姿が浮かぶはずです。また違った視点では、地域の人口密度を推し量ることが可能かも知れません。通勤やレジャーに出かけるときなどスムーズに移動しやすいかどうか。アクセスの良さは街選びのポイントになります。もし住み替えを検討している地域の容積率が高めに設定されている場合は、鉄道や道路などの輸送手段が相当規模で整備されているかどうか、冷静に見極める必要がありそうです。オンだけでなく、オフも渋滞ではストレスがたまる一方ですから。

 最後に、マンションを検討する方は現地はもとより、周辺の用途地域もチェックしておくとよいでしょう。とくに南側が低層住宅街なら、将来にわたって高い建物が建設される可能性が低いため、日照面、眺望面で良好な条件を半永久的に確保することができると考えることができます。しいては、資産面でも有利に働くことが期待できるといえるかもしれません。



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新築か中古か?   ヴィンテージマンションの選び方




『家の時間』主宰
坂根康裕
『家の時間』主宰 坂根康裕

リクルート『都心に住む』『住宅情報スタイル』元編集長。ブログ「高級マンション TOKYO」All About「高級マンション」ガイドも努める。著書に『理想のマンションを選べない本当の理由』(ダイヤモンド社)

 

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