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成熟社会における不動産の選び方

不動産デフレ脱却の先にある"物件評価の視点"

 成熟社会とは、世の中が秩序ある安定した状態を指します。そこでは人口が大きく増えることは想定されていません。したがって住宅なら、新しく建てるというよりも現存するストックを賢く活用する発想が求められます。「生産」よりも「利用」「再生」といったカテゴリーに軸足が移っていくということです。

 昨年来政府は「アベノミクス」を推進しています。貨幣流通量を倍にして公共事業を増やし、民間の活力を高める規制緩和を行う。俗に言う「三本の矢」といわれるものです。アベノミクスの目標はインフレです。モノの価値(値段)を引き上げ、労働者の賃金に回し(増やし)、経済の活性化を促した上で最終的には国家財政の健全化を図るのがねらいです。

 昨今のマイホーム選びは、将来的な生活防衛を考慮し「資産価値のある物件を求める」傾向が高まっているようです。アベノミクスの恩恵に授かり、都心部のマンションが好調に売れていますが、ここで気をつけたいのは「自分の評価」よりも「他人の評価」を意識すべきということです。

 意外に思われるかもしれません。自分の城であるにもかかわらず、なぜ他人の評価を意識しなければならないのか。それは「利用価値」が資産性を左右する成熟社会だからであり、例えインフレが実現しても「全体の地価が押し並べて上昇することが考えにくい」からに他なりません。

 右表は、自己と他者の視点と評価の高低を掛け合わせた4象限のポジションをあらわしています。資産価値など気にしない、自分の住み心地だけを追求したいという人は③。この場合物件選びは主観的に、つまり自分の感じたままに選択すれば良いでしょう。留意すべきは②です。他者評価、つまり客観的な視点を持つとは具体的にどういうことなのか。ひとつの事例を見てみましょう。



「他人の評価」こそ、マイホームのアピールポイント(利用・資産価値)そのもの

データ出典:「パークシティ大崎 ザ タワー」


 左の円グラフは2013年10月にモデルルームオープンした「パークシティ大崎 ザ タワー」第1期契約者の「購入の決め手」を集計したもの。来場者数や売れ行きを掲げて宣伝を行うマンションプロジェクトが最近増えていますが、ここでは広告というフィルターを取り除いてご覧いただきたいと思います。ポイントは、もし自分が検討するとしたら「どこを評価し、どこを評価しないか」ということです。

 このタワーマンションに興味がない、あるいはそもそもマンションを買う気がないという人がいるが少なからずいると思いますが、あくまでサンプルだと割り切って一読してください。おそらく「いかに他人の物差しでイメージすることが困難か」ということに気付かされるのではないでしょうか。

 まず当物件の場合、評価項目が多岐に分かれ、しかも最大でも12%と全体的に均等化しています。総合力があるという言い方もできますが、逆にいえば個々に「ささったポイントが違う」ということです。これは大規模物件に共通した傾向でもあります。例えば「御殿山小学校徒歩1分の教育環境」は5%。「専有部の内装・設備仕様」「外観・共用部のデザイン性」(下線)と同じだけのシェアを持っています。よくよく聞けば、当該校は区内では相当の人気校らしく、就学前のお子さんがいる世帯では非常に評価されたということです。

 しかし、学校に関心がない世帯にとってはどうでしょう。接客に付いた販売員もひょっとしたら、その説明はあえて省いたかもしれません。彼らは、顧客が関心を持っていると思われるゾーン(項目)に集中してボールを投げよう(説明しよう)とします。しかし、数年後いざ売却の段になって、あるいは賃貸として貸し出すときに、教育環境が長所のひとつであることを伝えるのは誰でもないオーナーであるあなたの役目です。新規分譲時のデベロッパーのごとく、右の項目を詳細に解説する必要があります。アピールポイントの集積こそが物件評価(利用価値・資産価値)を高めることになるからです。


マンション購入における注意点

「パークシティ大崎 ザタワー」モデルルームに設置された完成予想模型


「パークシティ大崎 ザ タワー」 詳細情報

表題画像は「パークシティ大崎 ザ タワー」<デエィブルパーク>完成予想イラスト

 これまでのマイホーム選びは、あくまで自分あるいは家族の視点で物件をふるい分けてきました。通勤や通学経路をもとに立地を絞り込み、自分の予算に合わせて面積や向きを選択してきたわけです。

 ところが、今後の人生で住み替えの可能性が多少なりともあるのであれば、売却を視野に入れないわけにはいきません。そして重要なことは、人口の増えない成熟した社会において、不動産は「売りやすい」物件と「売りにくい」物件に二極化していくということです。

 「売りやすい」物件とは、利用価値の高い物件です。利用価値とは、より多くの需要を吸収しやすいということ。需要と一言でいっても、住まいのニーズは千差万別です。その多岐にわたるニーズを集めるには、多様な長所を備えている必要があります。自宅の資産性を維持したいのであれば、まずはその多様な長所を把握することが重要なのです。

■取材ノートより
マンションのモデルルームは模型、パネル、モデルルーム(専有部)、カレーセレクト、接客ブースといった具合に幾つかのゾーンから構成されています。通常は物件を理解しながら、自分なりに善し悪しを判断していくのですが、これからは「<そのマンションのウリ>をいかに見つけることができるか」といった視点で見ることが大切です。デベロッパー側にもセールスとは違った視点で、(上掲したような決め手の詳細など)情報開示を期待します。市場の二極化は今後ますます狭域化していくはずです。資産性の向上は、まずは客観的な視点を養うところから始めるのが良いのではないでしょうか。(坂根)


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