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大規模マンションの管理修繕

2014年07月30日更新

マンション管理費,修繕積立金の改定

【第1回 「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」管理組合】
道なき道を探し求めて~超高層メガマンション管理組合の試行錯誤~「単価250円で50年の安心を」

<いきなり本音でいきます、マンション管理はオカネから!>
マンション管理組合の目的は資産価値の維持・向上といわれます。でも、マンションの資産価値って何でしょう?「玄関の雰囲気」と「豪華な家具」や「きれいな庭」etc。どれをとっても主観的、情緒的、十人十色で共通の物差しで比べることができません。
全797戸、推定2500人がたったひとつのタワーに住まうここ「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」では、全員の顔と名前が一致することはまずありません。この規模になると住宅管理というより「街の行政」に近いのかも知れません。
こうした顔のみえない者どうしの集まりでは、もっと具体的かつ現実的な価値目標がないと、右往左往するだけで何も決まりません。
ところで、マンション管理には「ヒト」「モノ」「カネ」の三つの側面があります。
快適な生活、住民交流、楽しいイベントは重要です。だけど、住民は常に変化します。今のお隣さんが、この先ずっとご一緒でいるなんてことはありません。人が変わっても快適なマンションライフを続けるには、きちんとした設備施設、つまりハードが必要です。そしてハードの設置や維持にも、楽しいイベントにも必ずおカネがかかります。
とすれば、この「人口2500人の街」を束ねる管理組合の最も大事な使命は、まずもってゆるぎない財務基盤(カネ)、そしてハードの維持管理(モノ)、「カネ」や「モノ」の充実があって初めて防災や交流(ヒト)が実現できると。ここがキモではありませんか?
「先立つものはオカネ」でしょ?
入居から5年を過ぎた「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」ですが、安定した財務基盤への道は決して平坦ではありませんでした。以下にこの道のりを振り返ってみましょう。

<最初から赤字だった「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」>
わが「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」の当初の財政状況は、それは凄まじいものでした。
一般会計は当初から5%の赤字。そのまま何もしないと、早ければ4年目にして管理費引上げを迫られそうな状勢でした。加えて、修繕負担金は入居10年後に3倍、20年後に5倍というもの。住宅ローンの支払いを終えたと思ったら、今度はどんどん増えてゆく修繕金が重くのしかかるという、お先真っ暗な「先細り計画」しかありませんでした。
これはまずいと立ち上がった住民有志が根本から財政を作り直すこととしました。まず、一般会計の赤字の解消。2年目から3年目に大幅な経費縮減を進めました。おりしも2011年3月の大地震直後でもあり大節電を断行したほか、深夜に及ぶ折衝を何回も続けて外注契約費(委託管理費と直接契約)を節減。更に瑕疵担保修繕を活用しました(後述)。
次は収入。需要の高い設備や施設の料金を高めに、不人気の設備は低めに変更するなどして料金収入を増やしました。このような取組で、一般会計は10%の黒字に正常化しました。

<50年変わらない修繕負担金>
続いて修繕計画の大改定を4年目に実施。焦点は、この先ずっと安定した修繕資金を確保するための方策でした。
「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」のような超高層タワーマンションは、分速200mの高速エレベーター、高さ200メートルの水圧ポンプなどの最新の機械設備が集積した精巧な建築物で、修繕費はこのような特殊な機械が大きな割合を占めています。これらの費用は数十億円と高額な上に、20年から30年のサイクル、しかも特注品という厄介な特徴があります。
こんな莫大な修繕費がかなり後になってやってくるという話は、今住んでいる人にはいまひとつピンときません。ややもすれば、不足したらその都度対処するとか、だめなら借金するなど負担の議論は先送りにされがちです。
でも負担引上げという不人気な議案を、誰が率先して総会に出すのでしょう?築浅の今でなら買った状態に維持したいという意欲が湧きます。なので、今なら修繕費の出し惜しみはしないでしょう。ところが、経年劣化し、いい加減古びてから「これまでに溜まった修繕をするので金払って」と言われても抵抗ありますよね。つまり修繕って後送りするほどインセンティブが減退するのではないかと。挙句の果ての終着駅が整備不良でスラム化したマンションです。そういう道は私たちが歩むところではありません。
そこで、私たちは、すべての設備や施設のライフサイクルコストを洗い出して、これを十分カバーする必要費用をはじき出し、それを毎年少しずつ積み立ててゆくという、新しい発想で修繕計画を練り直しました。




それが「50年安心戦略」です。これは、50年間の修繕支出を毎年同額で積みたててゆくもの。だから、このマンションは50年間修繕金負担が変わりません。詳細はこちら

<1億円と10万円では意味が違う>
ここまで言うと、こんな疑問が出るでしょう。最初は修繕支出が少ないので、オカネが余るのでは?
その通りです。だから、積立初期段階での余剰は運用に回します。個人で貯めてもせいぜい年数十万、ところが「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」の運用規模は毎年1億円を超えます。
大切な預かり金ですから、リスク商品には投資しませんが、ロットが大きな資金ならではの運用も可能となります。この先10年の運用益だけで、内廊下修繕費に匹敵する収入が入ってきそうです。低金利でも収益を得ることは十分に可能なのです。これも、修繕負担金を長期間均一にしたことのメリットです。

<損して得とれ>
「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」のような築浅マンションでは、最初10年間は売主の瑕疵担保保証がついてきます。初期設定の不具合はその後の修繕を深刻なものに発展させるので、この保証を活用しない手はありません。
そこで、2年瑕疵修繕の前に専門会社に発注し、地下ピットやエレベーターシャフト外壁などの立入困難で見えにくい箇所を中心に徹底的な不具合調査を依頼しました。この調査結果をもとに、売主と交渉したところ、総額1億に匹敵する修繕が無償で実現されました。おかげで、ゲリラ豪雨でも地下壁面にシミのひとつも付きません。
調査費はケチらない方がいいことを実感しました。

<単価250円未満で50年の安心を>
こうして、私たちは都心部で200mの超高層、内廊下のタワーマンションとしては珍しく、修繕金は216円/㎡、管理費は238円/㎡というリーズナブルな負担水準で、長期に安定した財政基盤を作ることができたのです。
次回は安定的な財務基盤をベースにハードやソフトでどのような工夫をしたのかをご紹介します。



【パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー管理組合~道なき道を探し求めて~】
第1回 超高層メガマンション管理組合の試行錯誤「単価250円で50年の安心を」
第2回 超高層メガマンション管理組合の試行錯誤2「足りないものは自分で作る」
第3回 超高層メガマンション管理組合の試行錯誤3「試してみることの勇気~try & error」
第4回 超高層メガマンション管理組合の試行錯誤4「こうなればいいのに」


<神奈川県川崎市中原区>
パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー
神奈川県川崎市中原区 パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー

武蔵小杉周辺で一番ノッポなビル。2009年4月の竣工で、6期目に入りました。単一棟に794戸の住宅、中原市民館、コンビニ、保育所が入居しています。左記のシンボルマークを住民公募にて定めました。「より豊かな暮らしの実現と発展を願い、空と未来に伸び行くマンションをイメージ」したものです。詳しい情報は以下の公式広報をご覧下さい。
ホームページ www.midskytower.com
ツイッター twitter.com/pcmmst
フェイスブック https://www.facebook.com/midskytower



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