2012年09月11日更新
異常気象がもたらす地盤リスク「深層崩壊」
「深層崩壊」という言葉をご存知でしょうか。「深層崩壊」とは、山の斜面のがけ崩れの一種で、表層部から2m以内の比較的浅い「表層崩壊」とは異なり、地下数十メートルの深い地層が地盤ごと一気に崩れ落ちる現象を指します。ひとたび起きると広い面積で多大な量の土砂(崖)が崩れ落ちることから、人家や道路などを破壊する恐れがあることと復旧までに相当な時間を要することから被害が長引く傾向にあります。
「深層崩壊」が起こる要因としては、長時間にわたる降雨、融雪、地震などが直接的な原因であると考えられていますが、崩壊の起こった発生箇所を調べると、海洋プレートが隆起してできた地層で、地下深い場所にまで水がたまりやすい斜面に多いといわれています。
近年の雨量の増加が、「深層崩壊」のリスクを高める可能性があるとして、国土交通省では「深層崩壊推定頻度マップ」を作成し、このたび公開しました(右図)。これによれば首都圏、中部圏、関西圏の都心部では「特に低い」分類に指定。平野部ではまず起こらないと考えられるためです。
「特に高い」(ピンク)に指定された九州、四国、近畿南部、甲信越などでは過去の発生箇所(赤丸)と重なっていることがわかります。一方で、「低い」(緑)分類のなかでも多くの実例が散見され、「特に低い」(青)においてさえも、伊豆半島のがけの一部で崩壊がありました。したがって、同省では起伏のあるところでは「絶対にないとは言えない」としています。
「深層崩壊」は、集中的なゲリラ豪雨よりも長時間にわたる降雨がもたらしやすく、参考値として総雨量が400mmを超えると危険性が高まると指摘。また、雨が降ってすぐにではなく、数日後に起こりうることや、崩壊によってできた天然ダムがもたらす(下流の水位が下がる)現象などにも理解が必要だと呼びかけています。
国土交通省が発表した「深層崩壊推定頻度マップ」
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