ありそうでなかった無垢フローリングのリノベーション賃貸

　無垢フローリングを使った賃貸ブランド「TOMOS」の特徴は、「どこにもない、ふつう」。これまでの賃貸物件では満たせなかった、いまどきの入居者の要望を改修プランに盛り込むことで、充実した日常を過ごせる空間に再構成しています。

　とくに重視されているのが内装材の質感です。面積の大きい壁や天井は、空間の印象を大きく左右するポイント。清潔感のある白を基本に、場合に応じて塗装や珪藻土、クロスなどで仕上げていきます。「床には無垢のフローリングを提案しています。肌が直接触れる部位ですからね。柔らかく温かみのあるパイン材と堅くて落ち着きのあるオーク材をご用意して、カジュアルな雰囲気にするか、スタイリッシュな空間にするか、物件の特徴に合わせて使い分けています」（ハプティック代表の小倉弘之さん）。

　菊川の物件は、都営地下鉄「菊川」駅から徒歩2分。静かで日当たりと風通しがよく、窓からは話題のスカイツリーも望める好立地。3階にあるキッチン7.5畳、ベッドルーム9畳の１DKの床には上質なオーク材を張っています。

　一方、都立大学の物件は、東急東横線「都立大学」駅から徒歩10分。駅から目黒通りを渡り、緩やかな坂の先にある、落ち着いた色のアパートです。2階にある部屋は、６畳の居室にキッチンが設置されたワンルームタイプ。床には明るい色合いの無垢のパイン材が張られて、カジュアルな雰囲気に。

　どちらも限られたスペースの中に、壁面を生かした可動式の棚や引き戸などを取り入れて、収納量は十分。キッチンはハプティックのオリジナルで、白いワークトップに機能的な引き出しと吊り戸棚を標準装備。2口のガスコンロもビルトインされています。木製便座のトイレ、バスルームもしっかりリニューアルされて、築年数の経った物件では古くささが気になる水回りも快適なものに仕上げられています。

　玄関には、真っ白な下駄箱、質感の高い磁器質タイルの土間、姿見やオリジナルのコートかけなども。内装や設備機器だけでなく、自由に照明器具を移動できるライティングレールやシンプルなスイッチプレートなどディテールにも工夫と配慮が施されています。

　「TOMOS」が想定しているのは、20～30代の入居者。大学卒業後、ワンランク上の空間に住みたいという方、これからふたり暮らしを始めようという方に向けて、質の高い日常生活をおくれるような環境がプランニングされています。
　「TOMOS」は首都圏を中心に毎年数を増やしており、これまでの入居者の方からは「外観見たときはどうしようかと思ったけど、内装見たらいい意味で裏切られた」「無垢のフローリングは素足が気持ちいい」「キッチンがおしゃれで、なかなか他にはなかったのが決め手になった」「アクセントのクロスも落ち着いていて何にでも合わせやすいけど、他にはないのが気に入った」といった声が寄せられています。

　「TOMOS」の場合、改修後はすぐに入居者が決まってしまうことが多いのですが、今回ご紹介した物件のほかにも計画中の物件があるので、関心を持った方は問い合わせてみてはいかがでしょうか。

ベッドルーム（約9畳）からキッチン（約7.5畳）方向を撮影。クロゼットの隣には、フォトフレームなどがディスプレイできる棚（ガチャレール）を備え付けた（菊川）。