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ホーム&ライフスタイル トレンドレポート
[第4回]
キッチン上級MIXスタイル
取材・文 中島早苗/田中やすみ

「何でもあり」のリノベーションで時間軸からキッチンを考える

 「中古マンションのリノベーション」というジャンルの先駆者的存在であるブルースタジオ。ライフスタイルや住宅に対する考え方、予算、将来設計など複雑に絡み合う要素を住み手から聞き取り、物件選びからリノベーションのプランニング、引き渡しまで一環してトータルなサービスを提供しています。中でも独創性の高い空間デザインには定評があり、ユニークなキッチン提案もこれまでに数多く行っています。

 「なんでもあり、というのが基本的な考え方です」と笑うのは、コンシューマーサービス本部ジェネラルマネジャーの石井健さん。これまでも、キッチンをオブジェとして考えたり、もてなし空間としての役割を求めたり、「かもめ食堂」の雰囲気を再現したりと、実に多様なリノベーションを行ってきたのだとか。自宅でお酒を呑むのが好きなご夫婦に提案した写真の「frio」では、スタイリッシュなキッチンに昔の日本の住まいの考え方をミックスする考え方を提案。「作る」「食べる」「呑む」「ゴロンと横になる」といった、キッチンから始まる時間軸の動きが同じ空間でスムーズに展開できるよう設計されており、目の高さも調理台から同じテーブル、畳敷きの小上がりへと変わらないので、大勢のゲストが訪れても会話が中断しません。

 「マンションは一戸建てより水平方向にスペースがとりやすいメリットがあります。住戸内でのアクティビティを一緒に考えていくことで、それぞれの空間の連動性やバリエーションはいくらでも広がります。例えば…」と、手元の参考物件にリノベーションプランを描き始める石井さん。既成概念を軽々と乗り越える発想と確かなデザイン力は、暮らしの中でのキッチンの位置付けすら変えてしまうかもしれません。

一ヶ所を何通りにも使う”和の住まい”の考え方を取り入れた「frio」。居心地の良さについ長居して しまいそう


取材協力:株式会社ブルースタジオ http://www.bluestudio.jp/

インテリアとしてのキッチンは上質空間の大切なベース

本物の無垢の家具の質感は一目瞭然。主張の強いコンテンポラリー家具、和モダンテイストのダイニングテーブルなどとも相性がいい


取材協力:ワイス・ワイス http://www.wisewise.com/

 ライフスタイルショップのワイス・ワイスがキッチンも造っていることは、インテリア好きなら知っている人も少なくないはず。同店のインテリアコーディネーター、田中亜希子さんによると「家具製作で培ったノウハウを元に住まい全体のコーディネートを考えた時、キッチンを造るというのは自然な流れでした」。収納扉材にはオリジナル家具に使用している天然木の突板を使っているため、ダイニングやリビングに隣接していても浮くことなく、ひとつの造作家具として自然に溶け込むさりげなさが大きな特長です。

 インテリアの一部としてキッチンを考えた時、大切なのは室内空間全体との一体感と材質のクオリティ。「家具は長期使用をコンセプトの1つに、飽きの来ないシンプルなデザイン、カバーリング式のソファ、張替え可能な椅子など様々な機能が備わっています。もちろん、キッチンにも同じことが言えます。住まいはファブリックやアート、小物など、住む方の個性に合わせたアイテムをプラスすることで空間が完成していきます。ワイス・ワイスのキッチンが上質で豊かな空間を作るためのベースとして、時に主役として存在できればと考えています」(田中さん)。ショールームに置かれたキッチンは天然木の突板の美しさを十分に感じながらも、デザインはとてもシンプル。リビングの中心に置いても鑑賞に耐える上質感と、どんなインテリアもスタイリッシュにまとめ上げる懐の深さを感じます。

 同社のキッチンはシステムキッチンとオーダーキッチンの良い点を取り入れた「システムオーダーキッチン」。ユニットを組み合わせるタイプ、ナチュラルなオープンタイプなどデザインタイプも複数あり、予算に合わせて柔軟に組み合わせることができます。プロの手を借りつつミックススタイルを自分の手で完成させたいという人にとって、ひとつの選択肢になりそうです。

キッチンの概念を自由自在に超えて生活空間の主役に

モノトーンの中にもさまざまな質感をミックス。テーブルを兼ねたカウンタートップのシャープさに、デコラティブなシャンデリアが絶妙にバランス。カップボードも木とステンレスを組み合わせた新作


取材協力:トーヨーキッチン&リビング株式会社 http://www.toyokitchen.co.jp

 トーヨーキッチン&リビングの今年のテーマは「キッチンに住む。」。キッチンから始まる生活全体のトータルコーディネートが可能になる、多種多彩なラインナップを展開しています。シャープな印象のキッチンにデコラティブなシャンデリアの組み合わせなど、一見斬新過ぎるように思える同社の空間提案には、長年のノウハウや技術力に裏打ちされた「生活の主役になる、キッチンの機能を超えたキッチン」造りへのこだわりがあるようです。

 「これまでキッチンメーカーが販売するキッチンというと、全体をシステム化し、いかに統一感を持たせるかという考え方が主流でした。でも私たちはそれだけでは生活空間として味気ない、楽しさがない、と。年々増えている、空間にこだわりを持つお客様に”こんなこともできますよ”とイメージを限りなく膨らませるお手伝いをするため、あえて組み合わせ方を限定しないさまざまな素材のミックススタイルをご提案しています」(トーヨーキッチン&リビング マーケティンググループ プレス担当マネージャー 後藤歌井さん)。

 何々流、何々風ではなく、その人らしさをプラスすることで唯一無二の空間を生み出したり、キッチンの概念を超えた自由な表現を楽しんでほしい、との思いが斬新な空間提案につながっているとのことです。海外のクリエイターから国内のクラフト作家までジャンルに捉われないファニチャー選び、異質な素材を大胆に組み合わせたスタイルなど、時代を先取りする同社のミックススタイル。キッチンに対する概念を打ち破り、もっと自由に室内空間の可能性を楽しみたい人は大いに参考にしたいところです。

■取材ノートより
 住まいのトータル空間の一部と考えることで、キッチンは大きく変化しようとしています。「見せるキッチン」は、特に都市部の限られた居住空間では省スペースにもつながり、家事動線が短くなるというメリットも。プロによる提案の数々は、実際にショールームや内覧会でぜひ空間ごと体感したいもの。きっと新しい発見があるはずです。

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