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建築家リフォーム

2015年02月20日更新

リフォーム打合せの進め方

初めてのリフォーム相談時に、「どのくらいのスケジュールを考えておけば良いのでしょうか?」と質問されますが、人(ご家庭)それぞれで、早ければ工事竣工まで3か月で終わることもあれば、一年以上掛かることもあります。決まったコースはありませんとお答えしています。それに対して、大手不動産系やハウスメーカー系のリフォーム会社では、最初の打ち合せから工事着工までの打ち合わせスケジュールをチャートで見せてくれるようです。

それらの打合せの進め方は、
・初回打合せ:現地調査も兼ねた打ち合わせ。
・リフォーム提案-1:約2週間後に第1回目のリフォーム案と概算見積りを提示。第一案を見ながらより細かい間取り的な要望と素材の希望を伝える。
・リフォーム提案-2:約2週間後に修正プランとお見積りを作って、OKであれば契約。
・打ち合わせ期間:2~2.5ヶ月ほどの期間で、順次間取り、収納計画、仕上げ材、内装インテリア、キッチンや浴室等の設備機器を決めてゆく。
以上のような流れが一般的なものだと思われます。スケルトンまで解体してのリフォームであれば工事期間が2.5ヶ月ほど掛かるので、すべてを合わせると約半年となります。

新築で家を建てる訳ではなく、ただのマンションリフォームなのに「そんなに時間が掛かるのか」と思われる方も多いのではないでしょうか?最近はお施主さま側のデザインアドバイスで大手リフォーム会社との打ち合わせに同席することも多くなってきたのですが、実はこの余裕に見えるスケジュールでも打合せ内容はキツキツになっています。打ち合わせの度に、「今週までに△△を決めてください」の連続で、施主側がアップアップになってしまうことが多々あります。楽しいハズの打合せが重荷になってくる原因として考えられる第一は、提案する側と提案される側の知識&経験の差から生じるものだと思われます。間取りが大体決まれば(つまり契約が終われば)、あとは素材と色味を決めれば設計が完了するのではと思っている施主側と、そこに空調や照明、スイッチ&コンセント類の設備が絡んで、持ち物をどこにどのように収納するのかを考えなくてはと備えている提案側の知識の差。さらにそれらを微調整してゆくことで見積り費用が変わってゆくことと、全部決まったと思われる時点で再度見積り増額分(得てして増要素が多く、減要素は少ないのが実情です...)の説明と承認にまた時間が掛かる経験がある側と、金額は契約時点でフィックスされ打合せによって増額があるとは思っていない施主側の経験の差。この二つの差が打ち合わせを進めてゆくことで拡大してゆくのが第一の問題だと思っています。

二つ目の原因は、一度決めたものは、元に戻ってひっくり返しにくい不可逆的な打合せ方法に問題があると思われます。打ち合わせで決めた内容は、次の打ち合せまでに設計側で図面化を進めてしまうのが一般的です。その間に、雑誌やインターネットなどの情報、さらにはリフォーム経験者のアドバイスを聞いて、もっと別の考え方もあったのではと思いつつもスケジュール優先で進めざるを得ない事情。そうなると、すべての決定事項がほぼ積み重なった時になっても、本当にこの内容で良かったのだろうかと自信を持てないケースが多くみられます。素材決定についても同じことが言えます。幾つかのフローリング材を見せられて、その中でどれが好きかと問われれば簡単に選べるものです。壁紙の色やキッチンの扉の色も然りです。ただ、そうやって部分的に選んでいったものを立体的に組み合わせた時に、本当にそれが自分の好きな空間となるかどうかについては、プロの意見を聞きたいところですが、打ち合わせの手順として部品を段階的に決めてゆくので、誰もがもとに戻れなくなってしまうのです。

他にも、契約以降はお金を生むプロジェクトとして効率的に進めたい側と、折角の自分の空間作りなので、思いっきり楽しみたい側の意識の違いなど、業者側と施主側の違いがドラマを生むのでしょう。最終的な形が満足ゆくものになれば笑い話になりますが、小さなボタンの掛け違いが最後には悲劇になってしまうこともあるようです。僕らもマンションリフォームに特化した当初は、リフォーム会社のスケジュールに合わせて、自分たちの設計内容を効率化する努力をしていましたが、色々な経験を経てきた今では、以下のようなことに気を付けて打合せを進めるようにしています。
・急いで設計内容を煮詰めるよりは、まずお互いのデザインや生活の感覚を理解するためのコミュニケーションの時間を掛けること。
・間取りや素材などを個別に決めてゆかず、全体的に少しずつ前進して、いつでも元に戻って考え直せる設計プロセスとすること。
・仕事の効率よりも最終的なお施主さまの満足度を高めるために、設計プロセス自体をお施主さまと一緒になって楽しむスタンスで進めること。
以上のような打合せ手法は、他のリフォーム会社と全く違うスタイルなので、違和感を覚える方もまだまだ多いようです。それでも、一度大手リフォーム会社に依頼したが上手くゆかなかった方や、じっくり時間を費用を掛けて良いリフォームを実現したい方、何よりも自分の家つくりのプロセスを楽しみたいという方を中心に、すこしずつ理解が広がっている実感があります。



どれだけの決定事項があるかをまとめた暫定スケジュール表。各ショールームを
二度ずつ訪問するだけでも、相当な日数と手間がかかることが判ります


打合わせ場所は設計事務所、現場、お施主さまのお宅、ショールームの4つが中心ですが、ご希望に応じて、以前リフォームしたお客さまのお宅の訪問やホテルなどを一緒に見学しながらの打ち合せもしています


スケジュールは固定化しないとはいえ、いつまでには入居したいとのご希望が強ければ、それに沿って打合せ期間を組み立てます。ただ、その通りに行かないケースも想定して貰うようにしています


キッチンや料理にこだわりあるお客さまの場合は、料理のプロにアドバイスを依頼して、調理しながらの打ち合せをすることも


お子さまを交えての子供部屋の打ち合せは、僕らにも一番楽しいひと時です。
大きな模型を使って、部屋作りを楽しんでもらいます


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建築家
各務 謙司 (カガミ ケンジ)
建築家 各務 謙司 (カガミ ケンジ)

1966年東京都港区生まれ。早稲田大学大学院終了後、ハーバード大学大学院に入学。留学修了後、94年にニューヨークのCicognani Kalla設計事務所勤務。マンハッタンの高級マンションのリノベーション、郊外の別荘等を担当する。帰国後、生まれ育った白金台に設計事務所を開設。古くなった建物にリフォームで手を加え、住まい方にあわせカスタマイズし、生き返らせることを活動の一つの柱としている。
カガミ・デザインリフォームhttp://www.kagami-reform.com/

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