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中島早苗の「心地いい場所」

2015年12月25日更新

バリ島の休日

前回に続き、今年(2015年)久しぶりに出かけた
バリ島の様子を報告しようと思う。

人口、観光客、そしてホテルが増え、
アジアンリゾートとしてすっかり定着したバリ島。
2000年代初頭にテロがあったので、
現在の治安はどうなっているのかが多少気掛かりだったが、
今回行ってみてセキュリティが厳しくなっているのを
実体験として感じた。

まず各ホテルの出入口にはセキュリティーガードが立っていて、
高級ホテルなら出入りする車はドアやトランクを開けさせ
中や人をチェックしている。
スーパーマーケットでも入口にガードマンがいて、
大きな手荷物を持って入ろうとしたら、
入口脇のクロークに預けるよう言われた。
こうしたチェックは日本よりもよほど厳しいので、
訪れた人の安心感につながっていると思う。

私のおすすめのバリ島滞在スタイルは、
ヌサドゥアやジンバランなどのビーチサイドに泊まり、
芸術村ウブドや、近年世界文化遺産に登録されたジャティルウィなど
田園地帯にデイトリップする、というもの。
特にヌサドゥア地区は、2013年のAPECに合わせてつくられた
海上高速道路などの整備によって、
空港からのアクセスが格段によくなった。
加えて地区内の大型ショッピングモール、
バリコレクションにはスーパーマーケットからレストラン、
エステ、お土産店まで何でも揃うので便利である。

世界文化遺産のヒンドゥー教の寺院や
バリ民族舞踊を見に行くのも外せない。
特に、男性の合唱舞踊のケチャダンスは必見だ。
私のおすすめはバドゥン半島の南西の岬にあるウルワツ寺院と、
近くの広場で行われるケチャダンス。
寺院はインド洋の荒波が打ち寄せる70mの断崖絶壁の上に建ち、
サンセットスポットとしても有名なので、
夕方前までに行けば、18時からのケチャダンスも鑑賞できる。

ケチャダンスは他の場所でも演じられているが、
このロケーションで観るケチャダンスが圧倒的に迫力があり、
旅のハイライトとなるに違いない。
絶壁から海と、沈みゆく太陽がだんだんとオレンジ色、
青、濃紺に変えていく空を背景に、
大勢の男性の「チャ」の掛け声から成る合唱を聴いていると、
不思議な高揚感に包まれる。
空港から15キロ程度と距離は近いが、観光客がサンセットとケチャダンスの時間に岬を目がけて集中、道路が渋滞するので時間に余裕をもって行ってほしい。

しかし交通渋滞は、バリ島最大の問題ともいえるのではないだろうか。
バイクを含む車の数が驚くべきスピードで増加しているのに、
道路の増加、整備がついていっていないのだ。
そのため、数キロ先の観光スポットへ行くのに大渋滞、と
いうことが少なくない。
せっかく世界遺産やケチャダンスを堪能しても、
その後ホテルまでの帰り道が毎日大渋滞のノロノロ運転では、
うんざりした印象が残ってしまう。
道路インフラを整備して何とか渋滞問題に対応して欲しいものだ。

そしてバリ島で忘れてならないお楽しみが、エステだ。
エステと言ってもバリエーション豊富で、
凝りをほぐしてくれる一般的なマッサージから、
アロマオイルを使った美容エステまでさまざまある。
価格帯も町に並ぶカジュアルな店舗のマッサージなら千円代から、
ラグジュアリーな高級エステまでと、チョイスが多い。
私の夫は私と並んでアロマオイルのマッサージを今回初体験し、
「こんなにリラックスできると思わなかった!」と感動、
滞在中2回受けていた。

円安の今、一昔前までほどの割安感はなくなったものの、
それでもエステなどは日本に比べてリーズナブルに楽しめる。
昼間は海を眺め、波音を聞きながらプールサイドに寝ころび、
夕方はエステ三昧という時間を過ごせば、
1週間程度の滞在でも日常を忘れ、リフレッシュできる。
エキゾチックな島での休日は、当たり前だがやっぱりいいものだった。


今回泊まったヌサドゥア地区のホテル「ザ・ムリア、ムリア リゾート&ヴィラス」の部屋とプール(下)。





ウルワツ寺院そばの広場で行われたケチャダンス。海とサンセットを背景に見る舞踊は格別だ。



リビングジャーナリスト・「家の時間」編集主幹
中島早苗
リビングジャーナリスト・「家の時間」編集主幹 中島早苗

1963年東京生まれ。日本大学文理学部国文学科卒。アシェット婦人画報社で12年在籍した住宅雑誌『モダンリビング』を始め『メンズクラブ』『ヴァンサンカン』副編集長を経て独立。約20年間400軒あまりの家と家族、建築家、ハウスビルダーなどへの取材実績を基に、「ほんとうに豊かな住まいと暮らし」をテーマとして、単行本や連載執筆、講演等活動中。著書に『建築家と家をつくる!』『北欧流 愉しい倹約生活』(PHP研究所)『やっぱり住むならエコ住宅』(主婦と生活社)『住まい方のプロが教えるリフォーム123のヒント』(日本実業出版社)『建築家と造る「家族がもっと元気になれる家」』(講談社+α文庫)他。

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