というお題でコメントを、と
ラジオの東京ＦＭさんから依頼があり、
先日「クロノス」
という番組に出演させていただいた。

　サッカーの中西哲生さんと、フリーアナウンサーの
高橋万里恵さんがパーソナリティの番組。
　収録は高橋さんが質問してくださり、
それに答えるスタイルで行なわれた。

　気分をアゲる部屋について、ひとことでコメントするのは難しい。
　住み手の方が何歳で、何人暮らしなのか、
賃貸住宅か、持ち家かによっても随分違ってくる。

　万人向けとなると、つい月並みなコメントになってしまうが、
まずは「採光と通風が大事」。
　十分な自然光の明るさを確保でき、風通しがよいことは、
気持ちいい部屋の基本だと思う。
　風通しが悪くて湿気が溜まりやすい場所、とくにバスルームなどは
すぐにカビが生えたり、不潔な状態になりやすい。
　清潔で気持ちよいことが、気分をアゲる空間のポイントだろう。

　ちょっとした工夫で気分をアゲるとしたら、
一番簡単なのは、照明を変えてみることだ。
　もしもあなたの部屋の天井に、大きな蛍光灯が
どかーんと付いているとしたら、それを外すか、点けないで、
電球色のスタンドライトなどを使ってみることをおすすめしたい。

　あるいはスポットライトでもいい。
　クリップ式で、どこかに挟んでコンセントをつなげば
手軽に使えるスポットライトをショップで手に入れ、
テーブルや手元など、必要な場所を照らしてみる。

　実際にやってみるとわかるのだが、夜とはいえど、
部屋全体が隅々まで明るい必要は、実はないのだ。
　人が今居る場所、テーブルの上や、料理をする手元、
読んでいる本や新聞を照らす明かりがあれば、それで十分。
　必要な部分だけをスポット的に照らし、他のスペースは
うっすら暗いというコントラストをつけると、
空間に立体的な陰影と雰囲気が出て、気分も盛り上がるもの。

　天井に付けた蛍光灯は部屋全体を明るくはしてくれるが、
空間がのっぺりと均一に見えてしまう。
　それに、青白い蛍光灯の光より、
電球色の黄色っぽい光の方が夜はリラックスできる。
　気分をアゲたいと思ったら、電球色のスポット的照明をお試しあれ。

東京ＦＭスタジオで収録当日、パーソナリティの高橋万里恵さんと。高橋さんは華奢で、とっても可愛らしい方だった。家づくりやインテリアに興味をお持ちとのことで、しばし話が弾む。お世話になりました！

　他にも、家で簡単に気分をアゲる方法がある。
　ベランダを有効活用することだ。
　有効活用と言っても、難しいことではない。
　自宅のベランダに、椅子とテーブルを出して、
ドリンクでもおつまみでも食事でもいただいてみる。
　もちろん、家族や友達と一緒でもいい。

「うちのベランダなんて狭いから」
「目の前に他の家があって、いい眺めじゃないし」
などと思うかもしれない。
　これが、いざやってみると、さして気にならないのだ。
　外の空気を吸いながら、空の下でゆっくり腰掛ける。
　飲み物や食事、お喋りを楽しむ。
　ただこれだけのことが、こんなに気持ちよかったんだ、と
思っていただけるに違いない。

　と、この「おうちでオープンエアカフェ」アイデアについても
ラジオでお話したかったのだが、時間切れであった。
　興味をもたれた方は、ぜひやってみてください。

中島早苗の「心地いい場所」　バックナンバー