2009年11月11日更新
エコ住宅の広がりを目指して「グリーンファースト」積水ハウス
「エコ・ファースト企業」として、地球環境保全に積極的に取り組む積水ハウス。 1996年いち早く遮熱断熱複層ガラスを採用し、1999年「環境未来計画」を発表するなど、 環境問題に取り組みながら、安全・安心・快適に末長く暮らせる住まいを創り続けている。
「環境に関する研究・開発にはかなり力を入れていますが、大前提は、 お客様にとって暮らしやすく、魅力的な家をご提供することです。環境を守るために何かを押し付けるようなことはしません」と 同社 環境推進部 温暖化防止研究所所長 石田建一氏。 高い能力を持ちながらも、オーソドックスで一般的に受け入れられやすいエコ住宅を提案している。
その筆頭が、2009年4月より販売開始している環境配慮型仕様のブランド「グリーンファースト」。 家で電気をつくる”創エネ”とエネルギー消費量を抑える”省エネ”の組み合わせで、 CO2排出量の50%以上の削減を実現可能にした(1990年の同規模の同社住宅と比較)。 最終的には、太陽光発電と家庭用燃料電池を併用し、CO2排出量がほぼゼロになる「グリーンファーストプレミアム」の社会的普及を目標にしている。
「弊社ではより多くのお客様にこうした住宅を知っていただくため、さまざまなご提案や導入のための支援サービスをご用意しています」(石田氏)。 太陽光発電システムにおいては、独自の「太陽光発電支援費」制度を設け13万円/kWの値引きを実施。 国や地方公共団体の補助金と合わせると、より早い段階で設置費を回収できる計算になる。
「デザインも環境のひとつ」と話す石田氏。太陽光発電は、街並みに調和しやすいオリジナル瓦一体型パネルを採用。
2009年度グッドデザイン賞を受賞したこの商品は、瓦一体にすることにより屋根の隅々まで、よりたくさんの太陽光発電を搭載できるというメリットも持つ。
「CO2排出量削減のためには、より多くの太陽光発電を搭載できればいいのですが、屋根形状や敷地などの制約を受け十分な容量を搭載できないことも。そういったお客様には家庭用燃料電池との併用をお勧めしています」(石田氏)。
都市ガス等から電力をつくり出し、発電の際に発生する熱を利用して同時にお湯もつくる家庭用燃料電池。 「遠くで発電した電力は一般家庭に到達する頃には約6割は無駄になっていると言われています。 それに対して家庭用燃料電池は、すぐ近くで発電するため約2割のロスですむ非常に高効率なシステムです」(石田氏)。 同社では、この家庭用燃料電池搭載の住宅を2009年8月時点で650台受注。住宅業界で最多数を誇り、一般家庭への普及の旗振り役となっている。
気候風土との調和、在来種にこだわった樹木、身近な自然との共生などを大切に考え、「5本の樹」から始まる庭づくりを推進。我が家の庭で鳥のさえずりが聞こえるかもしれない。
瓦一体型太陽光発電パネルが美しい「シャーウッド・グリーンファースト」外観。木の質感・ぬくもりを大切に、光・風・緑などの自然の心地よさを同時に取り入れている。
「エバーループ」により再生した住まい。長期にわたり優れた耐久性を有する基礎や構造躯体はそのまま残し、内外装や間取り、設備等をリフォームしている。居住性や省エネ性にも高いクオリティを追求し、構造躯体・防水について新たに10年保証を付与。
一方、設備だけでなく風や光、植樹など自然の力も効果的に利用。 心地よい快適さと豊かな暮らし方を追求しつつ、それぞれの好みや家族の暮らし方に合わせたきめ細かいプランニングを提案しているという。 こうした取り組みの結果、「グリーンファースト」の販売実績は2009年7月度には月間戸建受注の半数を記録。 環境対策で業界をリードする企業としての実績を残している。
「エコ・ファースト企業」として、同社ではそのほかにも数多くの取り組みを行っている。 自社が建築・販売した住宅を市場価格より高く買い取り、フルリフォームして分譲する「エバーループ」事業では「消費型」から「循環型」へと社会構造の転換を進め、 住み継ぐという考え方を実践している。
また、資源循環に関する継続的な取り組みも積極的に推進。 新築施工現場から排出される廃棄物は、施工現場で27種類に分別、 さらに自社の資源循環センターでさらに60品目以上に分別するなどしてリサイクル率を高め、廃棄物排出量を大幅に抑制。 平成21年度に「リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰」において最高位の内閣総理大臣賞を受賞した。
さらに化学物質発散量を可能な限り減らした「空気環境配慮住宅(ケミケア仕様)」を平成21年11月から販売するなど、 多方面に渡る住環境向上への貢献が認められ、本年度の日本財団「CSR(企業の社会的責任)ランキング」で首位に輝いた同社。 注文住宅にふさわしい一歩先をゆく提案と多彩な選択肢で、これからも住宅業界をリードし続けていくことだろう。
積水ハウス株式会社http://www.sekisuihouse.co.jp/