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住宅ライターの家づくり奮闘記

横架材にビスを打って軒先にハンギングバスケットを吊してみました。室内から前面道路からも映えて、いい仕事をしてくれています。

桜の花も一段落して、葉が出てきました。花もいいですが、葉桜のほうがより生命力が感じられて好きかもしれません。住まいにおける植栽の効用は大きいように思います。

2012年04月18日更新

住宅ライターとしての住宅のチェックポイントとは

 私は毎月取材で3~4軒の住宅を拝見しています。私が「いい家」と感じるお宅は、家に入る前からそんな雰囲気を漂わせています。玄関回りが鉢植えなどで飾られていたり、置いてある自転車がピカピカだったり、お庭がきれいに整えられていたり。来客があるときにリビングを片付けるのは誰でもすることだと思いますが、外回りについてはなかなか手が回るものではありません。普段から住まいに気を使っているかどうかがここに表れてしまうのです。

 取材者としては玄関に入ったときの第一印象も重要です。来客や住まい手が家の中に入ったときに最初に目にする光景ですからね。しっかり収納が確保されていれば、土間はすっきりしますし、視線が届く範囲に飾り棚や窓が用意されていれば雰囲気はぐっとよくなります。設計者の配慮があるかどうか、そしてまた住まい手がそれを生かして心地よい状態にしつらえているか。そんなところが見てとれます。

 リビング、ダイニング、キッチンについてはみなさん力を入れるところなので、ここでは細かいディテールを拝見するより、全体的なインテリアの傾向を感じとるようにしています。デコラティブなインテリアを好むのか、あまりモノを置かないのか。個人的な好みとしては、ショールーム的に美しくコーディネートされた室内より、どこかに違和感があるような空間のほうが惹かれます。ちょっとバランスが崩れているところに、住まい手のこだわり、嗜好がにじみ出ているように感じられるからです。そんなアイテムやカラーを見つけられればしめたもので、徹底的に食いつきます(笑)。「これ、いいですね」「どなたのアイデアですか」「どちらのメーカーですか」「何色といったらいいんでしょうね」「どこで購入されたんですか」「ちなみにおいくらくらい?」。まあ、近所のおばちゃん並みのしつこさで…。

 わが家でもときどきそういった取材者の視点で家の内外をチェックするときがあります。必ずしもすべてをその通りにしないと気が済まない、というわけではありませんが。やっぱり常に「人に見られる」ことを意識するというのはなかなかしんどいものですからね(笑)。

住宅ライター 渡辺圭彦

渡辺圭彦プロフィール
1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、編集・制作会社へ。2004年よりフリーに。著書に「家づくりのホント~欠陥住宅にハマらない心得」(週刊住宅新聞社)など。2009年2月に自邸が竣工。
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