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住宅ライターの家づくり奮闘記

物件情報はネットで検索したり、不動産業者に問い合わせたりして、最初はとにかく手当たり次第に集めました。

土地探しの際に必要になるのが地図や鉄道路線図。地名や駅名からその位置関係が思い浮かぶようになります。

2008年08月27日更新

安い土地を探すには(1)~地域の絞り込み

 結婚以来、私たち夫婦は東京都江戸川区の1Kのアパートに暮らしていました。キッチンのほかは8畳の和室だけなので収納は圧倒的に足りませんでしたが、東南の角部屋とあって日当たりと風通しは抜群。「狭いながらも楽しいわが家」でした。この感覚が私たちの住まいの原点となったような気がします。

 ここに4年ほど住んだあと、都民住宅の抽選に当たり、東京都中央区のマンションへ。都心にあり、仕事にはうってつけの環境でした。しかし、東京都からの家賃補助は1年経過するごとに減っていくシステムだったので、いずれは出ていくことが前提となりました。ついに私たちは保留してきた課題「このまま賃貸暮らしか。それとも建てるか」に直面しなくてはならなくなったのです。
私「まず土地を探してみよう。予算内でどうしても見つからないようなら、そのときあきらめて賃貸を考えよう」
妻「ローンの返済のことを考えると、そろそろ決めないとツライわよね。探してみようか」

 土地探しについては、まず候補となる地域を絞り込んでいかなくてはなりません。私は千葉に、妻は都内に実家があったので、首都圏内であることが大枠となりました。最初のうちは「小樽もいいねえ」、「伊豆にも安いところがあるよ」などと無邪気に夢を膨らませていましたが、私の仕事のことも考えるとやはり出版社のある都心から遠く離れるわけにはいきません。妻は吉祥寺の近くに住むのが夢でしたし、私は今まで住んだことのない横浜にも憧れがありました。インターネットで不動産情報を検索しては物件資料をファクスで取り寄せたりしているうちに「首都圏でも土地の形や大きさ、最寄り駅からの距離、日当たりなどの条件を弛めていけば、1000万円台で土地が見つかるんじゃない?」という手応えが感じられるようになったのです。

 数年間、断続的にそんな作業を続けるうちに子供が産まれました。しばらく育児に追われるうちに「住みたい地域」についての具体的なイメージがさらに固まってきました。幼稚園や病院、公園、周囲に住む大人の雰囲気…。「新興住宅地ではなく昔から人が住んでいた場所がいい」という思いが夫婦の間で築かれていきました。

 双方の実家とのアクセス、価格の相場、昔からの住宅地。以上を考え合わせて、東京都東部から千葉県市川市にかけてが、候補として絞られることに。江戸川区に住んでいたこともあり、そのあたりに土地勘があるのも決め手のひとつになりました。

 生活ということを考えると、どこに買い物に行けばいいのか、病院や役所、学校の場所はどこか、休日に遊びに行く場所はどこか、バスや鉄道などの使い勝手はどうかといった細かい情報は事前に把握しておくにこしたことはありません。まったく住んだことのない、土地勘のない地域は、やはり自然と候補から外れていきました。

 次回ではいよいよ具体的な土地探しの手順や方法について触れていきます。安い土地は普通の物件情報誌や広告には出てこないんです。では何を手がかりにするかというと…。次回をお楽しみに。

住宅ライター 渡辺圭彦

渡辺圭彦プロフィール
1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、編集・制作会社へ。2004年よりフリーに。著書に「家づくりのホント~欠陥住宅にハマらない心得」(週刊住宅新聞社)など。2009年2月に自邸が竣工。
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