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トロントひとかけら

2011年12月21日更新

クリスマスはもうすぐ

クリスマスまであと数日を残したここ最近、トロントの街はすっかり冬らしくなってきた。
予想どおり11月後半には雪も降り始めてぐっと気温が下がり、これから春先まで氷点下の日々が続くんだなあ、そうなったらできるかぎり引きこもって冬を過ごすしかない...と観念していたところに地元の友人達がアドバイスをくれた。
「頭さえ温めときゃいいんだ」と。
体の中で寒さを感じる大部分は頭だから、耳まですっぽり隠れる暖かい帽子を被っていれば氷点下の屋外でもアクティブに過ごせるのだとか。本当かな?たしかに耳を覆わずに外を歩くと、凍って引きちぎれそうではある。
彼らいわく、頭以外にも体のいくつかの「寒さのツボ」のような箇所をしっかりカバーしていれば冬の寒さなんてへっちゃららしい。若さゆえの発言という気もするけれど「革ジャンの下はランニング一枚」というおじいさんも見かけるし、人間は慣れる生き物。生きてゆくには慣れなくては。

頭以外の寒さのツボはどこにあるかといえば、多くの人は足にあるだろう。秋口から店頭にブーツが並び始めたが、寒さが増すに連れて本気度が高くなっていく。今年流行の内側がボアでモコモコのブーツやひざ上丈のブーツがところ狭しと並んでいるのはもちろん、ゴム引きの防水仕様ブーツもよく見かける。トロントでは道路の凍結防止に塩をまくので、革靴だと塩分で傷んでしまうのだ。ゴムが水や塩の浸透をがっちり防いでくれるので心強いけれど、見た目はごつすぎてカモノハシ風。
それから「-50℃まで対応」という子供用ブーツを見た時には「子供たちも大変だなぁ」と思ってしまった。お隣のケベック州に行くとさらに本格的で、ヤギの脚のようなモジャモジャの毛の塊に手を突っ込んだらブーツの形をしていた...というシロモノにも出会った。

そんなboots or dieなこの地で私もこの冬の一足を買いに行こうと出かけた11月下旬の日曜日、ブーツ選びに熱を入れすぎて間抜けにもその日のメインイベントであるサンタクロースパレードを見逃してしまった。
トロントのサンタクロースパレードは毎年500万人以上が押し寄せる北米最大の行事のひとつで、1905年から続く世界最古の例年行事でもある。ダウンタウンの北西から東南まで、サンタクロースや様々な山車や音楽隊がにぎやかにパレードする様子がテレビ中継されて、街中で盛り上がるのだ。
昼から夕方まで続くのだしそれだけ大規模ならゆっくりゆっくり進むのだろう、と思ってこちらものんびり最終地点にたどり着いたら、道ばたの屋台まで取り払われた後だった。やっぱりこの季節、ゆっくりゆっくり進んでいたらサンタクロースだって風邪を引くんだろうな。などと納得しながら私も早速おろした新しいブーツで家路を急いだのだ。

それ以来クリスマスらしいことはなにもしていなかったけれど、今日は気合を入れてクリスマスマーケットに繰り出してみた。もちろん耳まですっぽり被る帽子とブーツをまとって。
トロントのクリスマスマーケットはパレードと違って昨年始まったばかり。ヨーロッパの伝統的なクリスマス市をお手本にしていて、屋外に立ち並ぶ様々なスタンドではホットワインやクリスマスツリーのオーナメントが売られている。カナダらしいものでは、やっぱりメープルシロップ。小さなコーンに入ったメープルシロップを味わいながら寒空の下を歩くこと1時間=大丈夫、2時間=まだ大丈夫、3時間=で、ついに体が芯から冷え切った。メリークリスマス。


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