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「三角の家の田中です」


接着剤とパテが外壁になじむよう、クラックの上をなぞるように壁を少し削る


接着剤を塗り、外壁と同じ色のパテを埋め、平らにならして仕上げ。あっという間に終わってしまった


ガス台前の石灰クリーム+ガラス塗装の壁がだいぶ汚れてきたため、手作りキッチンパネルも取り付け。これは裏面に接着剤を塗っているところ

2010年06月23日更新

家を繕う

こんにちは。家の時間の田中です。

 今年に入ったあたりからでしょうか。夜中に読書をしていると、棟屋のあたりから「ピシッ、パキッ。コンッ。」という音が聞こえるようになりました。外から壁に小石をぶつけているような鋭い音です。

 三角の家を建てた直後にも、1年位似たような音がしましたが、これは構造材から水分が抜けて乾燥する際に木が「鳴る」現象で、木造の家ではごく普通にあることです。

 でも、この家は建ててからもうすぐ6年。どうもそれとは違うようです。

 さっそく家を設計施工したM氏の事務所に連絡し、スタッフの方に点検に来てもらいました。音がした辺りを念入りにチェックしたところ、棟屋北側の外壁吹き付け部分に浅いクラック(ヒビ割れ)を発見。深夜の「ピシッ。」は、クラックが広がる時の音だったのです。

 三角の家の外壁は左官吹き付けで仕上げられています。建てた時「だいたい10年位で塗り替えが必要」と言われていたこともあり、いい機会なので、全体的に外壁の傷み具合をチェックしてもらうことにしました。

 補修当日、左官職人さんが来て家全体をぐるりとチェック。「ほかにクラックは見当たらないし、建てて6年でこれなら、塗り替えはまだしばらく大丈夫でしょう。家は建ててからも動くからね、これ位のクラックなら建物には影響ありませんよ」。そう言いながら手際よく補修を開始。
 
 「クラックの周辺を少し削る」→「接着剤を刷毛で塗る」→「外壁と同じ黒いパテで埋める」といった作業をほんの10分ほどで済ませ、職人さんはあっという間に帰っていきました。う~ん、これ位なら次からは自分でもできそうだなぁ。

 この家を建てて以来、常々思うことなのですが、家ってかなりの部分がDIYの延長線上でできるものなんですね。

 わたしは知識がないが故に判断がつかず、気になることがあるとすぐM氏の事務所に相談、成り行きでリペア作業をお願いしてしまうことが多いのですが、作業を見ていると「なんだ、それでOKなんだ?」と拍子抜けすることもしばしばあります。

 例えば、石灰クリームの白い壁が薪を積んだ部分だけ結構汚れてしまい、ちょっと気になるからキレイにしようか?なんて話になり、M氏が来た時のこと。
どんなことをするのかと思っていたら、水で薄めた白いペンキを上から薄く塗っただけで終了...たったこれだけの作業のために、わざわざ足を運んでもらっていたのでした(恥)知らないってホント罪だなと、心の中で申し訳なく思いました。

 昔は家づくりに携わる職人がすぐ近くに住んでいて、住み手と「あーでもない、こーでもない」といいながら建てていたので、家がどんな構造と材質でできていて、どう手入れをすればいいのか、住み手も間近で見ることができました。

 それが戦後、工業化住宅が普及するにつれ、住宅は性能の向上と引き換えに、次第にその内容がみえづらくなってしまったように思います。

 そして現在、家の寿命は格段に伸びましたが、高度成長期のように地価上昇による含み資産で買い替えや建て替えをし、新しい大きな家に次々と移り住む、ということが難しくなってきました。それは、一旦手に入れたマイホームに永住に近いかたちで住み続けることを意味します。長寿命の良い家ほど、手入れに関するノウハウは必要になってきます。

 大規模な補修は信頼できるプロにまかせるとしても、ちょっとした手入れや化粧直しのような「家を繕う作業」を住み手が行うようになれば、わが家への愛着がますます湧き、不具合の早期発見にもつながります。また、今後中古住宅市場が活発化するにつれ、良く手入れされた家は資産価値を評価されるようになるでしょう。これは住み手にとって大きなメリットです。

 わたしは、家の手入れに関するノウハウをワークショップ形式で学べる場がもっとあればいいのに、いつも思います。建材メーカーや販売店、あるいは施工会社や職人さんが協力して行う催しは、実はごく一部では行われているのですが、もっと一般的になればいいですね。

 そしてこのような経験こそ、今の子どもたちにもたくさん積ませてあげたいものです。将来賢い生活者となるためにも、「最も高額な買い物」といわれる住宅にもっと関心を持ち、知識を備えてほしい。家庭科の授業で住教育の充実は必至だと思うのですが、いかがでしょうか。

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