2010年03月17日更新
古民家に学ぶ
こんにちは。家の時間の田中です。
東京23区の片隅に位置する三角の家ですが、以前ここで書いたように付近にはまだ武蔵野の自然が色濃く残っています。
今でこそ私鉄や地下鉄などさまざまな交通網が発達した便利な街ですが、昔は都市部に野菜を供給するのどかな農村で、今でも散策すると大地主が住む農家屋敷や、庭先の土蔵などをひょっこり見かけることがあります。
鬱蒼とした森を背景にどっしりと構えている日本の古い家を見ていると、東京といっても都市化が早くから進んでいたのは本当の都心部ぐらいだったのだなぁとしみじみ実感します。
それでも地価下落に伴う都市回帰の波は未だ押し寄せており、わたしが引っ越してきてからの5年間だけでも、相続に伴う土地の切り売りで古い家が壊され、ミニ開発が進み、年々風景が変わってきています。移り住んで新築の家を建てた者としてもの申せる立場ではないのですが、やはり少々寂しい気がします。
そのような中、近所の郷土資料館に移築展示されている昔ながらの茅葺き古民家は、区民に人気の癒しスポット。誰でも靴を脱いで上がり、足をのばしてのんびりとした時間を過ごすことができます。
今月は桃の節句ということで、江戸時代から昭和初期頃までに実際に使われていたお雛様たちが賑やかに飾ってありました。ひとつひとつの顔を見ていると、春の訪れを祝い、子どもの健やかな成長を願う、当時少しだけ豊かだったであろう人たちの暮らしぶりをうかがうことができます。
冬は寒く、反バリアフリーでもあり、住宅としての性能は決してよいとはいえない部分もある日本の古民家ですが、季節の移り変わりを感じたり、家族が互いの存在を意識しながら過ごしたり、TPOに合わせ襖ひとつで空間を柔軟に使い分けたりと、現代でも家づくりの参考にしたい工夫はたくさんあります。
最近は古民家を建築家や職人の技でよみがえらせ、住み継いでいく取り組みも各所で行われているようです。家づくりを考えるとき、目に見えない「心地よさ」を感じとる意味でも、興味のある方は一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

