1. 家の時間トップ
  2. 暮らしのエッセイ
  3. 「三角の家の田中です」
  4. 家を育ててみませんか?

>バックナンバー

「三角の家の田中です」


6月は大好きなアジサイの季節。庭のアジサイも緑鮮やかになってきました


バラは大人になってから好きになった花。可憐で丈夫な四季咲き3種を育てています


しょっちゅう選定が必要な、元気いっぱいのネグンドカエデ。足元のビヨウヤナギは梅雨どきの黄色い花がキレイ

2009年05月27日更新

家を育ててみませんか?

 以前、どこかの掲示板を見ていた時「なぜ欧米人の家は、片付いているのか?」という主旨のトピックが立っていました。いろいろな感想や推測のレスポンスがついていて、どれも興味深かったのですが、その中で「世界中の家の持ち物を撮った写真集を見てわかった。日本人の家はモノが多すぎ!」というのがあり、そうそう!と思わず相槌を打ってしまいました。

 その写真集は、私も本屋さんで立ち読みしたことがあります。家の玄関先(つまり外です)に、家の中にあるもの(タンスとか冷蔵庫とか炊飯器とか)を全部出して並べ、家族も一緒に並んで笑顔でフレームに収まっていたような写真でした。

 本当に、圧倒的に日本人の家がダントツでモノが多かった。それほど大きくない(ような記憶がある)家のどこにこれだけ納まっていたのか・・・と思わせるほどの量でした。

 実はわたしも、同じような経験をしたことがあります。三角の家を建てていざ引越し!となった時のこと。三角の家は「簡素な家にしたい」というリクエスト通り必要最低限の収納しかなかったため、それまで住んでいたマンションの家財道具を大リストラしたところ、なんと2/3が不要物だったのです。

 オークションやリサイクルショップに出し、粗大ゴミの手配をし、それでも要らないものが出ること出ること。やっとの思いで処分し、必要最低限と思われるモノだけを持って新居で暮らし始めたのですが、まったく何の支障もなかったことに再び驚いたものです。

 モノが少なくてよかったな、と思ったのは、何より掃除がラクになったこと。家具の凸凹がなく、モノをどけたり戻したりをしなくて済むというのが、こんなにストレスを減らしてくれるとは思っていませんでした。 
 もうひとつは、探し物が見つかりやすくなったこと。しまう場所がほとんどないので、探す場所も限られています。以前の家に比べ、モノ探しに費やす時間が格段に短くなりました。もちろん、部屋全体がすっきり見えて気持ちいいことは言うまでもありません。

 家を建てる時、「収納」を考える人は多いと思います。たっぷり収納をつくれば家はすっきりする・・・と考えがちですが、その前にまず、モノを減らしてみるという発想も必要です。そしてわたし個人的には、家づくりは最初から機能を持たせ過ぎず、約束事もつくり過ぎないほうが、後々融通を利かせやすいのではないかと思っています。「いつか必要だから・・・」という不確実な予想に縛られ、現在が窮屈になるのはもったいないですよね。

 家のつくりも、最初はシンプルな空間にしておき、住み始めてから必要に応じて手を加えていく。改めて考えて見ると、冒頭のトピックで言われている「欧米の家」は、よくこの方式を取り入れています。家の時間でも『英国REALHOME事情』で、積極的にDIYを楽しんでいるイギリス人の様子が紹介されています。

 つくりこみ過ぎない家の良いところは、もし事情があって新しい住み手にバトンタッチした時も、柔軟に対応できるところです。家そのものの耐久性が高くなり、環境面からも壊さずに住み継ぐことが良しとされている今、これから家を建てようかと考えている人はぜひこの「可変性の高さ」を頭の片隅に置いてみてはいかがでしょうか。

ページトップへ