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「三角の家の田中です」


「家の時間 不動産PICKUP」でご紹介する、建築家・横河健氏の名作「COSMOS」。抑制された空間と開放された空間の対比が見事です

2009年04月29日更新

「価値ある住宅をつなごう」プロジェクト、始動!

 取材に出かけていろいろな方とお話ししていると、家に携わっている人が抱える悩みや住宅業界の構造そのものに関する問題など、「う~ん」と考えさせられることが少なくありません。

 例えば、中古住宅の流通もそのひとつ。環境問題への配慮から、この頃は「超寿命住宅」が国を挙げての取り組みとなっていますが、家の寿命が長くなっても同じ人が住み続ける訳にはいかないので、どこかで「住み継ぐ」場面が発生します。その際、果たしてどこまでその家の良さや魅力を後継者に伝えることができるのかが、流通の大きな鍵になるように思います。

 これまで、日本の住宅の寿命は30年余といわれており、欧米に比べてダントツの短さでした。戦後経済成長期に質より量を求める住宅政策が優先され、構造、デザイン共に長期使用に耐える住宅が少なかったことも大きな要因ですが、日本人特有の新築信仰の中、中古住宅の魅力を伝える「情報」が圧倒的になかったことも影響しているように思います。「予算的に新築は無理だけど、いい中古があれば...」と考えてみても、現地を実際に見ない限り、良いか悪いかを確認する手段があまりにも少ないのです。

 建築家による名作といわれる住宅が、もう既に取り壊されて見ることができない...といった話は、実はよくあります。建て主が何らかの事情で家を手放さなければならなくなった時、愛着あるこだわりの家が、単なる「古家」として不動産会社の流通システムに載ってしまう。駅からの距離や向きかどうか、道路付けは...といった立地情報のスペックからは、「住み心地」や「空間デザインの質」を感じ取ることはできません。そして、本当の価値を知られることなく、やがて大半が取り壊されてしまいます。

 一方で、最近は若い世代を中心に、中古住宅をリノベーションして住みこなすスタイルが定着し始めています。自分らしいライフスタイルを反映させる器を選ぶとき、住宅の空間デザインや個性は大きな判断材料になります。ですが、現在の一般的な中古住宅情報は前述のようにスペック中心で、ニーズに応える情報を備えていません。多くの方は、ごく一部のメディアで紹介される情報や人づての紹介を頼りに、根気強く物件を探しているのが現状です。

 築年数こそ経っていても、取り壊すにはあまりにも惜しい良質な住宅を、その価値を理解する新しい住み手につないでいくことはできないだろうか?

 そんな発想から、家の時間では「"価値ある住宅"を残し、必要とする人へつなごう」プロジェクトをスタートさせました。

 掲載するのは「建築家が建てた住宅」「デザイン性に優れた住宅」「住み手に暮らし方を提案する住宅」など。また、シンプルで強固な躯体を持ち、リノベーションすることで再生することが十分可能な中古住宅もご紹介します。

 同じ思いを持つ設計事務所や、コンセプトに共感いただける不動産会社の皆さん、そして愛着ある住まいを次の世代に譲りたいと考えている方にもプロジェクトにどんどん参画していただき、新しい中古住宅流通のスタイルとして、少しずつ輪を広げていけたらと思います。ご興味のある方は、ぜひこちらへご連絡ください。

 時間の経過とともに落ち着き、味わいを増した内外観。成長して街並みに四季の彩りを添える庭木。今となっては大変な手間とコストがかってしまう、希少性の高い仕様。前の住み手が育んだ近隣との良好な関係。中古住宅には、新築の家にはない大きな付加価値と可能性があります。

 「家の時間 不動産PICKUP」、よかったらぜひのぞいてみてください。


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