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パリで暮らす、食べる、遊ぶ


道路も美しくライトアップされ、クリスマス気分が盛り上ります


クリスマス市がいろいろなところにたちます


大きなクリスマスツリーに雪が降ります


ボンマルシェのウィンドーもクリスマス仕様に

2010年12月15日更新

クリスマスがやってくる

パリはものすごく寒いです。日中に雪が降ることもあり、町中を見渡すと男性、女性にかかわらず、帽子をかぶって歩いている人がめっきり多くなりました。毎日、職場まで20~30分かけて歩く私も、耳がとても冷たくてしかたがないので帽子を買おうと思い立ち、家の近所にあるデパート、ボンマルシェにでかけました。土曜日なので、人が多いことは予想していたけれど、それにしても人、人、人。デパートは大勢の人でごったがえしていました。それもそのはず。クリスマスがやってくるのです。週末は、みんなクリスマスのプレゼントのお買い物で大変なのです。

そういえば、職場のまわりや家の近所の道路にもクリスマスの飾りつけがおこなわれ、レストランやブティックもとても華やかに電飾がピカピカしているではありませんか。この時期、パリはほんとうに寒いけれど、でもとても美しいです。けれど、クリスマスイブやクリスマス当日にパリに一人でいるというのはなかなかつらいものなのです。ご存知の方も多いと思いますが、日本では恋人たちのためにあるクリスマスも、西欧ではまさにクリスマスは家族のためにあります。私の同僚たちもみんなクリスマスはいっせいに帰省します。

ということで、クリスマスにはレストランもお店もみんな閉まってしまいます。一部のレストランはクリスマスでも開いているけれど、たいてい、結構、高額なクリスマスコース1種類だけなんてことになります。多くの人々は家族で集まって、自宅で用意した豪華なディナーを食べるようです。フォアグラを薄くスライスして、トーストした小さなパンにのせたものや、生牡蠣なんていったオードブルに、丸ごとの家禽類に栗なんかをいろいろと詰め込んで焼いたものや、鴨のロースなんてものをメインとしてゆっくり楽しむようです。その後、24日から25日にかけての深夜に教会でミサがおこなわれるので、家族によっては防寒具をしっかり着込んで出かけるようです。これって、なんとなく日本の大晦日に初詣に行くようなもんでしょうか。

家族で過ごすクリスマスとは逆に、フランスでは新年は親しい友人で集まってよくパーティーが行われます。いままで、いくつかパーティに誘ってもらいましたが、仮装パーティだったり、みんな10ドル以下でプレゼントを買って持ち寄り交換したり、ディナーもみんな分担して料理をして持ち寄ったりと、わきあいあい楽しいパーティでした。

さて、その中で、忘れられない年明けパーティがひとつ。かれこれ7~8年前に、まあそれほど親しかったわけでもなかった友人に、彼の家でひらかれる年明けパーティに誘ってもらいました。彼は通常なら倉庫かアトリエかなんかにするような中庭に面した地上階を住居にしており、引越したばかりでした。夜、9時ごろから友人たちが集まります。しかし、寒い。彼の家は本当に寒い。玄関をあけるとすぐのところにあるコンクリート打ちっぱなしの部屋の床に置かれたテーブルに、みんなで持ち寄った食べ物を並べるのですが、ヒーターもほとんどきいていなく、玄関のドアの隙間や窓の隙間からは冷たい風が容赦なく吹き込みます。誰一人、コートを脱ぐこともできず、寒さに震えるディナーが開始されました。

夜がふけるとともに、寒さはますます厳しくなり、いったい何を話したのやら何を食べたのやらまったく思い出せないくらい、だただた、早く帰りたい、この寒さから脱出したいと願い続けるものの、まさしくこれは年越しディナー、深夜12時、年を越すまでは帰りたくても帰れないわけです。深夜の寒い初詣は結構平気なんだけど、寒い部屋でいすに座って、それほど親しくもない友人や初めて会った人々と、フランス語で笑みを絶やさず会話に参加し、それほど暖かくもないディナーを食べながらひたすら12時を待つというのはなんともつらい年越しでした。翌年も誘ってもらったけど、もちろん「残念ながら先約があります」ということで、ご丁寧にご辞退させていただきました。

毎年、毎年、いろいろなクリスマス、お正月があります。みなさんの今年のクリスマス、お正月がとても楽しく幸せなものでありますように。良いお年をお迎えください。

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