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那須とログハウスの風景

美しい曲線でハンドカットされた丸太。カットの仕方に家主の主張が表れる。

 

ダイナミックな木の断面はハンドカットならでは。

 

那須では都心より1ヶ月以上遅く春がやってくる。

2010年03月18日更新

ログハウスに住んでいるとどうなるか

 はじめまして。今回お話しをいただき、将来ログハウスを建てたい方やログハウスに興味のある方、田舎暮らしがしたい方などの少しでもお役に立つことができればと思い、掲載させていただくことになりました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 那須にログハウスを建て、移住して今年の春で8年目になる。皆さんは「ログハウス」というとどのようなイメージを持たれるのだろうか?

 「素楽」soraではお客様からよく聞くご意見として、「木の手触りが気持ちいい」「木の温もり、暖かみを感じる」「木の香りに癒される」「太い丸太が圧倒的」「ログハウスに憧れている」「ハンドカットって好きな人にはたまらないですよね」などなど。

また、よく聞かれる質問として、

「ログハウスって冬は暖かくて、夏は涼しいんですよね?」
「ログハウスって手入れとか大変ですか?」
「お風呂の丸太の壁って腐らないんですか?」
「建てるのにどのくらい日数がかかるのですか?」
「ログハウスに住んでいて困ったことってありますか?」
「ログハウスって高いんですよね?」
「この木なんていう木でどこから来たのですか?」などなど。

 1つ目の質問の回答は(「素楽」soraの場合)、標高600メートルの高原に位置するため、冬の最低気温は-10℃にもなる。そのためパワーのある暖房器具が必要なのは言うまでもない。しかし一旦部屋が暖まってしまえば、木の保温効果により室温は下がりにくい。

 ちなみに私の実家は埼玉県川口市の古い木造住宅で、那須よりはるかに外の気温が高いが、冬場の朝起きた時の室内の温度は那須のログハウスの室内の方が暖かい。また夏場は最高気温が滅多に30℃を越えることがないため、1階は窓を開けていれば、風が吹き抜け涼しく、普段クーラーのお世話になることはまずないと言っていい。

 但し、2階は小屋裏(ロフト)構造のため、熱が籠りやすく、天窓からの直射日光と併せて高温になり昼間を中心にクーラーが必要になる日がある。

 残りの質問への回答は追々書いていきたいと思っている。

 「ログハウスに憧れ」「好きな人にはたまらない」ログハウスを建築した私達も7年間住み続けているとさすがに「憧れ」たり「たまらない」と感じることもなくなってきたのだが、部屋に干した洗濯物が驚くほど早く乾くことや、臭いがあまり気にならないことなど日常生活での心地よさを実感している。

 なによりハンドカットログハウスの魅力とは、「最小限しか加工されない木で作られる自然そのままの家」ということではないだろうか。自然に囲まれながら、木という天然素材で建てられたログハウスに住まう。

 月日とともに老いがやってくるのは、人間も建物も同じ。自分もこれから年を取り、丸太も一緒に年を重ね、しみ(汚れ)、しわ(ひび割れ)が出てくるようなり(一部すでに露出あり)「昔はお互いピカピカで若かったね」なんてそのうち丸太に話しかけてそうな気がしている。丸太のように年月を受け入れながら、自然に逆らうことなくずっと自然体で生きていけたらどんなにいいことだろう。

 自然の中のログハウスに住んでいると、そんなことをなんとなく考えるようになっていくのかもしれない。

『素楽』sora おかみ 堀田はるみ

堀田はるみプロフィール
東京都出身。日本ハウズィング(株)に10年勤務後、大和ライフネクスト(株)(旧(株)コスモスライフ)に5年勤務。在職中に宅地建物取引主任者、管理業務主任者資格取得。2003年宿の開業とともに栃木県那須町に移住。現在は那須の大自然を楽しみながら夫と犬と暮らす。
ハンドカットログハウスの宿「素楽」sora:http://www.ayado.com/

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