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BOOK REVIEW一覧

  1. 2009年08月26日更新

    伊礼智の住宅設計作法 小さな家で豊かに暮らす

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    新建新聞社
    伊礼智 著
    2,000円(税別)

    建築家に設計をお願いしたい。でもなんとなく敷居が高い...そう思っている人は多いのではないだろうか。本書は住宅を中心に活躍する建築家・伊礼智氏が、工務店向け専門紙に書き下ろした連載をまとめたもの。とはいっても難解な言葉は全くなく、訥々とした語り口で私たちにもわかりやすく「豊かな家の作り方」を教えてくれる。心地いい住まいとは何か、そのためにどうすればいいのか...といった疑問に対し、ひとつひとつ具体例を挙げてカラー写真やイラストで説明しており、建築家がどのような姿勢で住宅設計臨んでいるのか理解することができる。建築家に依頼したい人は入門書として、そうでない人は住まいづくりのヒントとして読むことができる良書。

  2. 2009年06月24日更新

    映画的建築/建築的映画

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    春秋社
    五十嵐太郎 著
    2,200円(税別)

    映画好きの建築家は多いが、これは片思いであり、逆はそうでもないらしい。なぜなのか?本書ではさまざまな名画を題材に、映像メディアにおける建築の本質を紐解く。「映画に登場する"懐かしい空間"は、実際は緻密に計算された、どこにも存在しない建築」「実在する建築も、映画のテーマを増幅させるシンボリックな装置として記号化」「建築家は竣工直後の写真を好むが、映像クリエイターは徹底したエイジング(古く見せるための処理)を施す」など、リアルと虚構の狭間である映像表現にとって建築は重要なトリガーであることを、豊富な事例を引き合いに出し解説している。小津安二郎、三谷幸喜、宮崎駿の一連の作品から、「さくらん」「ツインピークス」「東京タワー」「三丁目の夕日」「新世紀エヴァンゲリオン」まで多種多様な映画の制作現場を裏側から知ることができる。

  3. 2009年06月10日更新

    美しいこと

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    新潮社
    赤木明登
    1,900円(税別)

    本書は塗師であり、いま人気のうつわ・塗り物作家である著者が、さまざまなジャンルで独自の美学を育むクリエイターたちを訪ね、創作哲学をともに考えたエッセイ集。登場作家は木工職人、靴職人、陶芸家、家具デザイナー、料理家、ガラス作家、建築家、古道具屋など多岐に渡るが、通底するのは「ただ、美しいこと」。何かと何かが出会い、振動が生まれ、さざ波となり、物語が紡ぎだされる現場に生まれる「美しいもの」は、やがて時間をかけて静かに朽ち、消えてゆく。そこにひとつの精神性を見出し「美しい」と捉える感性は、侘び寂びを知る私たち日本人共通のものだろう。数々の美しいものがたりは、思いのほか身近にあるのかもしれない。

  4. 2009年05月27日更新

    パリ流 環境社会への挑戦

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    鹿島出版会
    森口将之 著
    2,700円(税別)

    まちづくりとは、為政者と自治体の明確なビジョンと長期に渡る市民の理解と協力が必要な、大変な困難を伴うプロジェクトである。しかし一旦成功すれば、その恩恵は優良資産として世代を越えて受け継がれてゆく。本書では、近代都市・パリがいちはやくクルマ社会からの脱却を図り、エコシティへの先鞭をつけてきた様子をつぶさにレポートしている。実行に移された施策は実に多彩。街の風景をつくるトラムは70年振りに復活し、拡充された自転車専用道にはレンタサイクルシステム「ヴェリブ」の自転車が駆け抜ける。水運も復活し水上バスも現れた。2010年には自動車版「ヴェリブ」も登場予定。根底にあるコンセンサスは「美へのこだわり」。あくまでも人間の住みやすさ、という視点でエコをポジティブに楽しむのがパリ流の手法なのだ。

  5. 2009年05月13日更新

    住まいと暮らしの質問室

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    新潮選書
    「室内」編集部
    1,500円(税別)

    ものすごい情報量である。それもそのはず、惜しまれながら2006年に休刊となった家具とインテリアの専門誌「室内」が、その前身である「木工界」時代から50年(!)余り続いた長寿連載をまとめたのが本書なのだ。雑誌の誌面の片隅で、コツコツと読者の質問に答え続けた息抜きコーナーなので、内容は硬軟実にバラエティ豊か。「三和土のつくり方」といったマジメ系から「家を壊さないで移動させる事はできますか」などの無理系、「眠る時、ベッドカバーはどうするのが正式なのか」といった生活のギモン系などさまざま。編集部員や職人、建築家による回答も、大マジメなのにどこかウィットに富んでいて、読み物としても秀逸。

  6. 2009年05月06日更新

    体験的高齢者住宅建築作法

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    彰国社
    中原洋 著
    2,362円(税別)

    控えめなタイトルに、うっかりバリアフリー住宅の本かと思ったら大間違い。本書は70歳のフリーライターが「住みやすさよりも美しい空間がほしい」と建築家とがっぷり組み、預貯金ほとんどを費やして終の棲家を手に入れるまでのドキュメント。30余年前に建てた建築家・室伏次郎氏初期の名作を手放し、関係各所と激しいやりとりの末、新しい家を手に入れるまでの経緯が、時に息が詰まりそうなほど生々しく綴られている。著者は、建築好きなら誰もが知っている伝説の名著「意地の都市住宅」(既に絶版)中原洋氏。建築家の小川広次氏はこの家で「吉岡賞」「日本建築家協会新人賞」を相次いで受賞。老いても美しく暮らしたい人に、強烈な勇気を与えてくれる。

  7. 2009年04月22日更新

    「和」の小住宅 PART2 25の和のかたち

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    ワールドフォトプレス
    1,524円(税別)

    ここ最近の注文住宅トレンドとして「和」テイストが目に付く。昔ながらの民家風ではなく、厳格な書院風でもなく、シンプルでかろやかな現代テイストが人気だ。本書は建築家が手掛けた、和モダンテイストの小住宅25例と、和テイストの似合うインテリアや家電を紹介。どこか懐かしさを感じる包み込まれるような心地よさや、季節の移り変わりを感じるための自然の取り込み方、さまざまな素材づかいの工夫など、和テイストの家づくりを検討中の人にはさまざまなヒントが詰まった実用本として役立つはず。ひとことで「和モダン」といっても、さまざまな解釈や表現方法があることにも驚くのでは?

  8. 2009年04月15日更新

    温故知新の家づくり

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    可喜庵の会 著
    1,000円(税込)

    家づくりの現場が、いつのまにか住み手から遠くなってしまった...などと考えている人に、ぜひ読んでほしい本。建て主ととことん向き合い、密なコミュニケーションをとりながら設計・施工に奮闘する町田市の工務店の様子をまとめたのが本書。家づくりの過程を知り尽くした設計者が設計し、生きた木の扱いに長けた熟練の職人が建て、建て主が住みながら完成させていく。昔は当たり前だったはずの家本来のあり方を知るにつれ、工務店の本来あるべき姿と果たす役割の大きさが見えてくる。シンプルおおらかな空間は美しく、やすらぎに満ち溢れている。なにより設計者と職人、建て主の笑顔が輝いていて、とても幸せそうなのが印象的だ。

  9. 2009年04月08日更新

    NYCのシェアハウス 「共に住む家」の個性派インテリア

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    エクスナレッジ
    2,000円(税別)

    "つかず離れずの距離で他人同士が共同生活を営む"「シェアハウス」が、新しい住まい方として注目され始めている。本書はシェアハウス先進都市、ニューヨークで、ロフト・アパートメントを中心としたシェアハウスでの暮らしぶりを、ありのまま表した本。NYCでシェアハウスに住むためのノウハウも若干紹介されているが、何より注目したいのは室内空間の写真。壁を塗り、棚を取り付け、家具を改造し、居住者同士のキャラクターや関係性を思う存分表現するべくカスタマイズされた部屋は、リノベーションやセルフビルドの格好のお手本。アートの取り入れ方も上手で、参考になる。

  10. 2009年03月25日更新

    Bath Views[バスビューズ]

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    TOTO出版
    2,625円(税込)

    藤森照信、乾久美子、藤本壮介、石上純也、トラフ、永山祐子。国内外で注目される建築家6組が「お風呂」について考察し、彼ら独自の"新しいお風呂の眺め"を個性あふれるプレゼンテーションで提示した本。「お風呂」という生活空間から建築家がどのようにイマジネーションを膨らませていくのか、そのプロセスから建築家の思考回路がみてとれるのが楽しい。まさに6人6様だ。巻頭に藤森照信氏が語る「お風呂のはなし」、巻末に永山祐子氏が設計した、オフィスにお風呂という大胆な提案「Office+Bath」を収録し、お風呂を巡るさまざまなストーリーも楽しむことができる。

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